マブラヴ
1247話
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れはちょっと興味深いわ。もっとも、一緒に行きたいとは思わないけど』
夕呼が興味深そうに告げてくる。
まぁ、夕呼ならそうだよな。
他の面子なら止めるようにと結構言ってくるんだけど。
別に俺がどうなってもいいと考えている訳じゃなく、俺の能力を考えればその辺は問題ないからと思っている……筈。うん、多分。
「ま、転移した先が必ずしも人間が住める場所とも限らないしな。下手をすれば宇宙空間にそのまま姿を現さなきゃいけなくなる可能性もある。そう考えれば、どうしても人を連れてはいけないんだよ」
『あら、残念』
「……ちっとも残念そうじゃないぞ」
夕呼の口元に浮かんでいるのは笑み以外の何ものでもない。
『アクセルさん、また暫くいなくなるんですか? ……寂しいです』
夕呼の隣で話を聞いていた霞が呟く。
ウサギの耳がシュンと下に垂れているその様子は、言葉通り霞の寂しさを表しているのだろう。
まぁ、霞にとっては俺は兄的な存在だからな。……娘とかいう意見もあったが、俺はそんな年齢じゃない。多分。
「心配するなって。すぐに帰ってくるって訳にはいかないけど、それでもある程度は何とかなるから」
『そうなんですか? 約束、してくれますか?』
「……そうだな、出来るだけ早く帰ってくるって事で納得してくれないか?」
『……はい』
多少残念そうではあったが、それでも霞が頷きを返す。
『あらあら、お父さんは大変ね』
「誰がお父さんだ、誰が。そこはせめて兄にしてくれ」
『そう? でも今のやり取りを聞く限りだと、出稼ぎに行く父親と別れたくないって言ってる娘みたいよ?』
ぬぅ。確かにそう言われれば……いや、けどこのままだと。
少しは仕返しをしてやらないとな。
「へぇ。じゃあ夕呼は霞の母親代わりなんだから、俺の妻だな」
そう言葉を返した時の夕呼の反応は劇的と言ってもいいものだった。
『……え?』
俺の言葉を聞いた夕呼は、頬を薄らと赤く染めて視線を逸らす。
『お父さん、お母さん。知らない響き、です』
そんな夕呼の隣で、霞が小さく呟く声が聞こえてきた。
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