第5章
冥界合宿のヘルキャット
第100話 邂逅
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うまでもねえよ。お前だって気付いてたんだろ?」
「まあな」
バレてるのなら隠れてても意味ねえか。
意を決して、俺達は木陰から出る。神楽は未だに怯えており、イッセーの制服の裾をギュッと掴んでいた。
「イッセー先輩、明日夏先輩に神楽、部長も!?」
塔城は俺達の事を確認して驚いていた。付けられてるとは思いもしなかったんだろう。
「黒歌、この子は私の眷属よ。指一本でも触れさせないわ」
「あらあら何を言ってるのかにゃ?それは私の妹。上級悪魔様にはあげないわよ」
部長と黒歌との間で一触即発の雰囲気が出る。
「よお、クソザルさん。ヴァーリは元気かよ?」
「ハッハ、まあねぃ」
「誰、この子?」
「例の赤龍帝だぜぃ」
「ああ、そいつがヴァーリの言ってた」
「おっぱい好きの」
「ヴァーリの奴を退けたらしいが。とてもそうは見えないな」
白髪の男がイッセーの事を一瞬だけ見ると、視線をイッセーの側で震えている神楽の方へ向ける。
視線で貫かれ、神楽はますます震える。
「どうしたんだ、神威?」
神威と呼ばれた白髪の男を訝しんで、日本刀を持つ男が尋ねる。
「別に」
「その子、知り合いか?」
「……妹…いや、元妹だ」
「「「「っ!?」」」」
俺達は一斉に神楽の方を向く!
「………神威……お兄ちゃん……」
神楽は消え入りそうなか細い声で、神威の名を呼ぶ。
あいつが神楽の兄だと。そんな事一度も。
「元って、どう言う事だ?」
「俺が縁を切っただけの話だ」
「縁を切ったねぇ。つかお前、その子に何したんだ?スゲェ怯えてるぞ?」
確かに。あの男を見てから、神楽の様子がおかしくなった。酷い怯えようだ。
「別に。そいつの親を殺しただけだ」
なっ!?神楽の親を殺したって事はつまり!?
「それって、自分の親を殺したって事だろ?なんだってそんな事を?」
「お前なら大体察せるだろ?」
「ああ、なるほどねぇ」
日本刀を差した男は勝手に自分で納得していた。
「おい、なに一人で勝手に納得してるんだ!いや、それよりも、さっきのは何のマネだ!?」
俺は声に怒気を孕みながら男に言う!
「さっきのって?」
「とぼけるな!会場で俺に向けた殺気の事だ!?」
「さっきの殺気…てか♪」
「「寒っ……」」
「ふざけるなッ!!」
「冗談、冗談だよ。さっきお前に向けて放った殺気の事だろ?いやなに、なんか項垂れてたから、ちょっとシャキッとさせようかなって思ってな。効果てきめんだったろ?」
冗談なのか、本気なのか微妙な言い方だが、雰囲気から察するに本気みたいだった。
「……確かにてきめんだったよ。あんなもん向けられれば、嫌でもシャ
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