第5章
冥界合宿のヘルキャット
第100話 邂逅
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そうは言われても、あいつから守りたい物を守る為には今よりもはるかに強くなる以外にねえんだ。
あいつ、レイドゥンはそれだけ強い。
「俺だって、あいつにお前や千秋、みんなに手なんか出させたくねえよ!ヴァーリの奴にだって!だから俺は…いや、みんな強くなろうとしてるんじゃねえか!お前一人だけで何もかも守ろうとする必要はねえだろ!少しは俺達を頼れよ!」
「……ッ……」
「……そりゃ、俺はお前よりも、ましてや眷属の中でも一番弱いよ。あいつもめちゃくちゃ強いんだろう。でも、いざって時は、俺の譲渡の力が役立つかもしれねえだろ。みんなで戦えばなんとかなるかもしれないし。もっと俺やみんなを頼れよ」
「だが、あいつは……」
「元々自分達を狙ってるから、自分でケリを着けるってか?そんな事言ってみろ?返り討ちに合おうともぶっ飛ばすからな!」
「………」
「水臭いんだよバカ」
「……あ……」
それは、イッセーが一人で何かを背負い、一人で解決しようとした突っ走ろうとした際に決まって俺がイッセーに言っていた言葉だった。
まさか、こいつに言われる日が来るとはな。
「クスッ」
自然と笑みが零れた。
「お、久々に笑ったな」
「そうなのか?」
確かにここ最近、笑ってなかったかもしれなかった。
「つうか、俺より弱い奴が生意気言ってんじゃねえよ」
「うるせえ。今に禁手に至って、お前を越してやる!」
「なら俺も、追い越されない様にしねえとな」
レイドゥンの強さを思い知り、先日見たあの悪夢からみんなは俺が守ると気持ちが先走っていた。そのせいでイッセーやみんなを全く信じてなかったんだろうな。だが、イッセー達だって強くなろうとしている。焦る必要はねえんだ。
問題の解決には至ってねえが、気は大分楽にはなった。
「大分落ち着いたよ。サンキュー」
「でも、結局伸び悩んでいた原因は分からねえんだろ?」
「なに、落ち着いて考えれば、案外早く見つかるだろ。お前も禁手化に必要な自分にとっての劇的な変化が何かさっさと見つけろ」
「劇的な変化ねえ……」
「お、お久しぶりですわね、赤龍帝」
気持ちが大分和らいで、イッセーと話し込んでいたら、イッセーに話し掛ける少女がいた。
確かこの少女は…。
「焼き鳥野郎の妹か?」
「レイヴェル・フェニックスです!」
ああそうだ。部長の元婚約者のライザー・フェニックスの妹だ。
「……これだから下級悪魔は……」
イッセーの対応に不満を感じたのか、ブツブツと文句を言っていた。
「兄貴は元気か?」
「……貴方のお陰で、塞ぎ込んでしまいましたわ」
メンタル弱いな、おい。まあ、それまでは挫折知ら
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