第5章
冥界合宿のヘルキャット
第100話 邂逅
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「そんな凄い所に私達も?」
「私達だけじゃないわ。名目はVIPの護衛だけど、将来を担う若手悪魔の交流を計ろうと言うお兄様のご発案よ」
「部長の眷属として、恥ずかしい真似は見せられませんね」
若手悪魔かぁ。きっと、下僕も強いんだろうなぁ。
「ちょっとしたパーティでもあるから、明日夏達も是非参加して楽しんでくれと仰っていたから、貴方達も是非参加してちょうだい。明日夏も少しは気分転換になって、何か分かるかもしれないわよ」
「……はい……」
明日夏はただ、無機質な声で返事をするだけだった。
ー○●○ー
「………」
夜、俺達はとあるパーティ会場にいた。
そこでは多くの貴族悪魔が参列しており、サーゼクス様とセラフォルー様もいた。お二人の側にはグレイフィアさんと知らない顔の男性二人がいた。おそらく、あの二人が魔王ベルゼブブとアスモデウスなんだろう。
少し離れた場所にはアザゼルが柱に背を預けていた。
ちなみに、オカ研女性陣のみんなはドレス姿になって参列していた。あと、ギャスパーもドレス姿だ。
しかし、こんな所で妹のドレス姿を見る事になるとはな。せっかくだから、記念にとこっそり写メを撮る。後で兄貴達に送るか。
ついでに雲雀さん宛用と神音さん宛用に鶇達の写メも撮る。
そんな暇潰しをしながら、アザゼルに言われた事を思い出す。
『一辺落ち着いて、自分と向き合ってみろ。もしかしたら、お前自身も気付いてねえ、深層心理的な問題かもしれないからな』
タンニーンのおっさんにも似た様な事を言われた。
『成果が芳しくないのは、お前自身の深層心理に問題があるのやもしれん』
深層心理。二人がそう指摘したのも納得はできていた。
神器は想いの強さに応える。想いが強ければ、それだけ力を発揮する。逆を言えば、想いが弱ければ、力は発揮されない。
だから、神器関連の成果が無かったのも、俺の深層心理に俺自身も分からない神器の成長を阻害する何かがあるかもしれないとは、俺自身も思った。
だが、いくら考えても、自分を見つめ直しても、それは分からなかった。
「力が欲しい!」と強さを求めているのに、『幻龍の緋衣』はその想いに応えてはくれない。
一体何がいけないって言うんだ…!?
「おい、明日夏!」
「ッ!?イッセー……?」
「お前大丈夫かよ?みんな心配するぐらいスゲー難しい顔してたぞ」
「……そんなに顔に出てたか……?」
「ああ」
表情に出さない様にしてたつもりだったが、意味無かった様だ。
「どう言う気持ちかはなんとなく分かるけど、思い詰め過ぎじゃねえか?」
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