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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
一の刻・少年期編
第十三話「悲しき、冬との戦い」
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ろうとするが、その攻撃を避けた雪の女王は冷気で作った剣をリュカに振り下ろす。
だがそれはリュカに届く事は無く、ザイルの斧に受け止められていた。
「…ザイル、何で?」
「助けられてばかりじゃ爺ちゃんに怒られるからな。騙されたお返しだ、俺も闘うぞ!」
「ヒーも戦う、リュカ守る」
「ファイも戦う、リュカ助ける」
「プリーも戦う、リュカ大事」
「マーも戦う、リュカ友達」
「「「「やーーーーー!」」」」
『何故、何故邪魔をするのですか!私はこの世界を汚れの無い雪で白く染めようとしているだけなのに』
「僕も冬は好きだよ」
『ならば何故!?』
「でもこのままじゃ嫌いになっちゃう。僕だけじゃ無い、みんなが冬を嫌いになる。雪
合戦したり、雪だるま作ったり、そんな風に楽しめるのは春や夏や秋があるから、だから冬も好きになれるんだよ!」
『…春や夏や秋があるから……』
リュカの言葉に雪の女王の体は動きを止め、その目はリュカを捉えたまま話さなかった。
「リュカの言う通りよ、四季の移り変わりがあるからこそ人々はそれらの季節一つ一つを愛する。それは例え春のみでも、夏のみでもきっと変りはないわ」
「(私……私は……しかし最早この体はもう…)…問答、無用です」
「(女王、貴女…もしかして)やはり言葉は届かないのね」
ザイルが加わり、闘いは一気に攻勢に転じた。
雪の女王はリュカの攻撃だけではなくベラ達からの攻撃をも回復しきれなくなって来た。
それだけでは無く、雪の女王の目からザイル同様に邪気が消えている事にベラとスラリンだけが気付いていた。
そして何を為すべきかも二人は気付いている、例えその事がどれ程リュカの心を傷つける事になろうとも。
だが、やるしかなかった。春を呼び戻す為にも、雪の女王を“救う”為にも。
「ギラッ!」
「くうっ!」
「今よ、リュカ!」
「リュカ、こいつを使え!」
ベラのギラで出来た隙をついてリュカはザイルから渡された斧で斬りかかる。
そんなリュカを雪の女王は受け入れる様に笑顔で両手を広げ……
「え?……」
そしてリュカの攻撃は雪の女王の体を深々と斬り裂いた。
「こ、れで…やっ、と……」
雪の女王はリュカの頬を優しく撫で、微笑みながらゆっくりと倒れていく。
その姿をリュカは呆然としながら見つめていたが、気を取り戻すと手にしていた斧を投げ捨て倒れた雪の女王を抱き上げる。
「何で?何でワザと倒されたの!?」
「わ…たしの体は…既に、魔王の魔力によっ…て、支配されてました。…でも貴方の力…が、心が、魂の奥…底に閉じ込められていた、わた…しの心を呼び覚まして…くれました」
リュカに抱えられた雪の女王は息も絶え絶えながらも答え、そんな彼女の言葉をベラ
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