第二十話
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デ、シテ、我ト、敵対、スルカ』
「ッ!?」
「しゃ、しゃべったぁぁぁ!!?」
リュウヤはそこまでだがーーーそれでも少々口元を引きつらせているーーーアスナは最大限の驚きをその表情に示した。
コレはなにか、NPCの一種なのか。
母体がNPCだからこそ為せることなのか。
そんな考えが頭をよぎるが、それにしてもモンスターがしゃべるとはだれも思うまい。
しかしリュウヤはその問いにたいして、静かな驚異を添えて答えた。
「そうだな………、俺が俺であるために……だな」
真摯に答えるリュウヤの顔はうかがえられないが、声から察するにふざけているわけではない。
普段は感じられない、彼の本心からの言葉のような気がした。
『ーーーソウカ。ナラバ、全力ヲ、以ッテ、クルガ、ヨイ』
「ーーーああ、元々そのつもりだよ」
《ザ・ルー・ガルー》は立ち上がり、自然体で巨槍を持ち。
リュウヤは腰を落とし、右腕を伸ばし体と垂直になるように前方で槍を構え。
「アスナ、後で言うこと一つ聞いてやるからちょいと目ぇつむっててくんねえ?」
「い、いいけど……」
「頼んだぞ。さぁて………やりますかっーーー」
言うと同時に駆け出したそのすぐにアスナは目を閉じた。
ーーーキン、キキン。
ーーーガキィィィン、ゴンッ。
ーーーザシュッ………ザザザッ。
金属が打ちあう音。
鈍い打撃音。
鋭い斬撃と刺突。
それらの複雑な音がアスナの暗いまぶたの裏にイメージを投影させる。
しかしその攻撃や音がどちらのものなのかはわからない。
ソレらがリュウヤのものであることを祈りながら……。
それは数秒か、数十秒、数分、あるいは数十分なのか。
止まらない、終わらない剣戟ーーー槍戟のデュエットに耐えきれずアスナは眼を開けた。
「だぁぁらァァァァァァァ!!!!」
リュウヤは気合とともに光る武器を高速で突き出していた。
《ザ・ルー・ガルー》は体勢を崩してーーーおそらく攻撃をパリィされてーーーリュウヤの最後で最大のひと突きで貫かれていた。
『ーーー汝、ノ……勝チ、デ……アル、ナ…………』
パリィィィィィン……………。
大きく飛散していくポリゴンの破片の雨に打たれながら、リュウヤは上空を見据え、
「おとなしく散ってろってんだ……バカヤロウ」
目元は見えないが、しかしかすかな笑みとともに勝利を収めていた。
ポリゴンの破片が全て消え去る数秒を以った後、リュウヤは己の愛槍を肩に担いでアスナへと視線を向けた。
「よし、帰るかぁ〜」
「………これで終わり?」
「ああ、めでたしめでたしってわけでミッションクリアだ。ーーーなんで
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