第二十話
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た“事件”。
《あの姿》が今のリュウヤの姿とリンクする。
そこまで思考すると、リュウヤがチラリとこちらを見ていることに気づいた。
おそらくあと少しで合図が来るのだろう。その準備をしておけ、ということだ。
アスナはアイコンタクトで受け取った指示の通り、気を引き締め直して己が愛剣を構えた。
そしてソレを見たリュウヤが《ザ・ルー・ガルー》の重い一撃を躱し、紅い光を灯した重単発ソードスキルを打ち込んだ。
「今だァァァぁ!!」
リュウヤの絶叫が早いか、アスナは助走を始めていた。
この一撃で終わらせるために。
アスナはそう思いながら愛剣に光を灯す。
最近ようやく習得した単発ソードスキルにして、《細剣》スキルの最上位ソードスキルのひとつ。
十分な助走が必要な代わりに、強大な威力を誇るその剣技に全集中力を注いだ。
「ハァァァァァァ!!!」
《フラッシング・ペネトレイター》
ハデな衝撃音とともに、彗星のごとく光を携えながら突進していく様はまさに《閃光》。
彼女のための剣技と言っても過言ではない。
リュウヤのソードスキルで一時スタンを発生させた《ザ・ルー・ガルー》は、ちょうどみぞおち付近に埋め込まれた宝石がアスナの剣尖へと向かうようにして固まっていた。
全力で突き出した剣尖は、狙い違わず《ザ・ルー・ガルー》の弱点へと貫いた。
『グオオオオオオオォォォォォ!!!!』
人狼の絶叫が森を揺るがす。
パキン、というひび割れ音とともに《ザ・ルー・ガルー》のHPゲージは赤色へと変色する直後まで減少して止まった。
数歩、いや数十メートル後ずさると、人狼は片膝をついて『グルルル……』とこちらを威嚇するように睨みつけてきた。
「おぉ、あんな食らうとは思わなかったわ……。つかスゲえなさっきのソードスキル。もしかして最上位ソードスキルってやつだろ。俺の眼の前でやってよかったの?」
いつの間にかアスナの横に立っていたリュウヤは、アスナの放ったソードスキルの威力と、それを最大限引き出す正確無比な突きを魅せたアスナに対して弱冠引きながらポーションで回復していた。
「そのうちボス戦でも使うようになるからいいでしょ。敵でもないし」
「…………そりゃそうだな。さて、あとは俺がやるからさ、そこで休んでろ」
さすがと言うべきか。まだ慣れていない技を使ったことに対する疲労と、忍耐力を求められた緊張感で疲れているアスナの心身をよく見抜いている。
本当は引き下がりたくはないアスナだが、この状態では足手まといにしかならない。
しぶしぶアスナはリュウヤの言葉に甘えることにした。
言ったリュウヤは《ザ・ルー・ガルー》へと一歩足を進めた。
すると、
『ーーー汝、ナゼ、ソコマ
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