第二十話
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か、まずは俺が囮になって突っ込むから、スキが出来次第ヤツの土手っ腹にある宝石めがけてソードスキルで攻撃しろ。あとは俺がやるから」
「一発でいいの?」
「Yes なにか問題が?」
「問題もなにも………」
アスナは言いながら、距離を置いて武器を構え直している《ザ・ルー・ガルー》の右上にあるHPゲージを見やった。
そこには空になった透明な二本のゲージと未だ一本半分残っている緑色を示すゲージの計四本が浮かんでいた。
すでに半分以上削られていることが不思議で仕方ないが、そこに驚いているヒマも考察しているヒマもない。
「まだアレだけ残ってるのにどうするの?」
「ん〜、ソロソロあちらさんの準備が終わるから簡単に言うぞ。ツッコミも無しだ。
お前が今身につけてる首飾りあんだろ。来る前に装備しとけって言ったやつ。それ装備してる奴はあいつに対しての攻撃において、一度だけ大ダメージを与えられる。話を聞く限り、おそらくゲージの半分以上。それに加えてヤツの急所の腹に埋め込んである宝石狙えばそれ以上のダメージが期待できるわけ。All light ?」
「り、了解」
「ついでに言っちまえば、さっきの結界もその首飾りの仕業だ。けど攻撃と同様、一度きりだからな。油断すんなよ」
リュウヤがそう言い切ると同時に、巨大な人狼は大きく雄叫びを上げ、森を震わせるとリュウヤとアスナを見据えた。
「いいか、もっかい言うけど俺が囮だ。もし攻撃されても回避しろ。武器防御も無しだ!行くぞっ!」
言うが早いか、リュウヤはアスナの目が追いつかないスピードで単身《ザ・ルー・ガルー》の元へと駆けていく。
ほんの数秒もかからない時間で距離を殺すとリュウヤのヘイト稼ぎが始まった。
元々リュウヤに向けられていたはずのヘイトはアスナの身につけていた首飾りによって展開された結界のせいで、アスナへと向けられているのだろう。
《ザ・ルー・ガルー》はリュウヤが攻撃してくるのを無視してアスナへと足を向けていた。
しかし「相手は俺だ」と言わんばかりに攻撃を続けるリュウヤに勘が障ったのか、攻撃目標をリュウヤに変えた。
これでリュウヤはボス級のモンスターを相手にだいたいすべてのヘイトを一人で処理し続けることになったのだが、アスナはハラハラしながらその様子を見ていた。
だが、そんなアスナの心配は杞憂だった。
《ザ・ルー・ガルー》がリュウヤに標的を絞ったことで、リュウヤは今までの動きより格段に上がった動きで相手を翻弄する。
縦横無尽に駆け回り、三次元空間の全てを利用して回避と攻撃を繰り返すその姿は、まるで第50層で魅せたヒースクリフを思わせーーー
ーーーいや、そのずっと前。
もうひとつのクォーター・ポイントで起こっ
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