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ソードアート・オンライン 瑠璃色を持つ者たち
第二十話
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身はボロボロだった。
いたるところに斬られたあとがあり、武装は耐久値の限界が迫っているのか、刀身が鈍い光を放っている。

そして彼の命のゲージ、HPは危険値を示す赤へと変色していた。

ーーー言葉が………出ない。

アスナは両手で口を覆う。

なぜここまで命を危険に晒して笑って居られるのか。
なぜ命を守るために逃げ出さないのか。

そも彼はなぜ、たった一つのクエストごときに自らの命を懸けているのか。

そうまでしてクエストをクリアしようとするリュウヤの原動力とは何なのかーーー

「オイっ、アスナッ!」

「ーーーッ!?」

呆然としていたアスナの目の前に《ザ・ルー・ガルー》の大槍が迫っていた。

細剣(ぶき)をーーー

回避しなきゃーーー

間に合わなーーー

ガキィィィン、と大音量が鳴り響く。

その音は、腰にまで手を伸ばしたまま、覚悟を決めて目をつむったアスナではなく。

怒声を上げてアスナに警告を送ったリュウヤでもない。

「………よかった。ちゃんと発動したか」

リュウヤは《ザ・ルー・ガルー》が自慢の槍を防がれた様子を見て安堵の息をもらす。

いつまでも自分の死が訪れないことが不思議で、アスナはゆっくりと閉じていた瞳を開いた。
すると目の前に存在していたモノに目を見張った。

アスナを中心としておよそ半径三メートル分、半球型で銀色に輝く透明な結界が展開していたのだ。
数瞬ののち、リュウヤがアスナに駆け寄ると同時に銀の輝きを放つ結界は消え失せた。

「ど、どういうことーーーイタっ……ちょ、ちょっと、なんでチョップするのよ」

「このバカ野郎!モンスター目の前にして突っ立ってるなんていい度胸してんな、あぁ!?
俺は死ぬ気のある奴は連れてかねえって言ったはずだぞ!」

「……………っ」

「………ったく、いいか、さっきの結界については軽く説明してやる。あとで話も聞いてやるから、先にこいつを片づけるの手伝え」

「ーーーはい!」

アスナは自慢の細剣をシャラン、と抜き放つ。
それと同時にアスナは少し昔のことを思い出していた。

さっきのリュウヤの怒声が混じった叱責。アスナの安全、命を心配したソレを聞いたのはいつ以来だろう、と。

あまり安全を欠くような状況に陥らないこともあるが、この世界に来る前ですら、怒られた経験はない。
違うことでなら散々怒られたことはあったがーーー。

そこまで思い出して、アスナは思考を切り替えた。いつまでもリュウヤの足をひっぱるワケにはいかない。

「それじゃあ、どう攻略するの?」

「その前に一つ質問だ。お前、突進系のソードスキルで射程長いやつってある?」

「あるわよ」

「ならOKだ。いい
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