第13話 野獣の狂宴
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すか?』
士郎が茶道部室から出ていくのが名残惜しいのか、女子部員達(と言うか全員女子)が寂しそうな顔を作る。
「えっ、あっ、いや」
女性の押しに弱い士郎は、茶道部部員たちの顔を見て困惑する。
しかしそこで部長が助け舟を出した。
「ほら貴方たち、衛宮クンを困らせないの!」
『すいませ〜ん』
茶道部室の頭である鶴の一声により、部員たちは渋々引き下がった。
しかし、部員達を窘めてくれたと士郎が部長に礼を言ってる後ろで、部員たちは部長に恨めしい視線を送っていた。
(((((いい子ぶっちゃって、部長の方が口惜しいくせに〜)))))
そんな周りの反応について気づけない以前に士郎の人気度を知らないクリスは、士郎の和菓子を堪能していた。
「ん〜♪この和菓子の味は凄まじい。話に聞いていた以上の味の深みだ・・・!」
そして勿論クリスの感想など気にしていない士郎は、ドアノブに手を掛ける。
「それじゃあ、それにお客さんの様だぞ?多分京の奴だ」
「ん?京・・・?」
そうして士郎がドアを開くと、丁度ノックをしようとしていた瞬間の京が立ち止まっていた。
自動ドアでもないのに勝手に開いた事に、少なからず驚いている様だ。
「な、何かと思えば、士郎さんか」
「気配で気づいてただけだ。――――それじゃあ、俺は行くから」
京とドアの間を縫って、士郎は茶道部室から出て行った。
−Interlude−
夜。
「・・・・・・・・・・・・」
士郎は魔術師姿で夜の街を探索をしていた。
とはいうモノの、スカサハから最初の報告を聞いてからもうすぐ一週間も経過していようとしているのに、未だに手がかりを殆ど掴めていないのが現状だった。
スカサハのある事情――――この世界に転移して来てしまった後、彼女にはあらゆる呪いじみた制限がかかったのだ。
その制限により、最初は衛宮邸の敷地内から一歩たりとも出られないなどの鬱陶しいほどの呪いが幾つもあったが、士郎の協力も含めて時間を掛けて一つ一つ解呪していった結果、かなりの制限を消す事に成功したのだ。
しかし、未だに解呪できないモノがある。その内の一つが張っている結界からの感知が大幅に遅れるモノだ。
勿論今も解呪し続けているが、直に解けるモノでは無いのが面倒なモノで、如何してもまだ時間が必要の様なのだ。
それ以外も重要な制限があるのだが、今は割合させて頂く。
閑話休題。
そう言う事情もあり、どうしてもアクションが後手に回ってしまう。
その為、情報収集や探索も成果が上がりにくいのだ。
日々の暮らしに表情に表さないモノの、内心では焦っている。
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