第13話 野獣の狂宴
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てしまう。
何故なら、今日も彼女のカバンの中には士郎お手製の弁当があるのだから。
−Interlude−
放課後。
士郎は今日も、毎週一日だけの家庭科室での料理教室を進行させていたが、それも終わった。
何時も士郎は見本として多めに作るので毎回余るのだが、今日も例の漏れなかった。
品によって行く所は異なるが、今日は第一茶道部室で活動している茶道部におすそ分けとしてしに行っていた。
部室前に着た士郎はドアをノックする。
「はい?どなた〜?」
「3年の衛宮だk――――」
『いらっしゃい(ませ)!衛宮(君・先輩)!!』
全て言い切る前に勢いよくドアが開き、着物を着た女子生徒達が笑顔で出迎えて来る。
緊急で変わる場合もあるが、士郎の料理教室は前日の放課後などに料理部の部長或いは副部長の携帯にメールが送られる事が通例に成っている。
それが今では全生徒の常識とまでは行かないが、知る人の間では常識となっていた。
そしてたまにおすそ分けが来る茶道部員達も知り得ていた立場だったので、士郎の訪ねて来た声に瞬時に反応してドアが開かれたと言うわけだ。
理由としては、士郎の料理の腕のとんでもなさはそれこそ新入生以外では常識になっているので、料理目当てと言うのもあるだろうがそれだけでは無い。
茶道部の部員たちの中に『衛宮士郎様愛好会』の会員は居ないモノの、部長、副部長ともに士郎のファンでもあるのもあった。
勿論ナチュラルに鈍感な士郎はそんな事に気付けないので、料理目当ての反応だと勝手に思っていた。
「今日は和菓子なんだが、いるか?」
「勿論頂きます!」
「ありがとうございます!衛宮先輩!!」
士郎のおすそ分けに大げさにお礼を言う副部長や部員にも慣れたもので、その勢いに引きはしないが僅かな苦みが混じった笑いをする。苦笑とまでは行かない。
そんな様子を座ったまま覗ける位置にいたのか、金髪長髪美人のクリスが興味深そうに見ていた。
勿論視線に鋭い士郎は直に気づく。
「ん?君は確か先週の金曜日に2−Fに転校して来た・・・」
「えっと、クリスティアーネ・フリードリヒです。エミヤ先輩でしたか?初めまして」
「なるほど。3年の衛宮士郎と言う。こちらこそ初めまして。仮入部か?」
それをタメである茶道部部長に聞いた。
「見学と言ったところね。日本の文化に多く触れてみたいらしいの」
「ふむ」
クリスの事は、噂である程度聞いていたので驚きも感心も無い。ただ――――。
(日本を誤解した外国人は確かに茶道のは好きだろうな)
と。何となしにそう感じる士郎だった。
「さて、俺の様はもう済んだから行くよ」
『もうで
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