第十八話 ミッション開始
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とこかな」
いい仕事したー、とか晴れやかな笑顔で言い放つリュウヤに、アスナはもちろん猛抗議した。
「あなたね!?もう少し安全とか計画性ってものはないの!?」
「んなこと考えてるヒマなんかないんだよ。ほら来るぞ。お前は余波に備えてろ。それ以外は俺が指示するまで待機。OK?」
「〜〜〜っ!、了……解っ!」
しかしさらっと受け流されたアスナは、リュウヤの平静の声に従うしかなかった。
アスナは敵のHPバーをちらりと確認する。
先ほどの攻撃でどれだけダメージが通ったのか……。
マックス三本あるゲージの一番上、長さにしてほんのわずか、見えるか見えないかくらいの空白ができているだけで、たいした攻撃にはなっていない。
「アスナ、来るぞっ」
リュウヤの一言で瞬時に意識を切り替え、いつでも動けるような体勢を取る。
二足で立ち上がるオオカミの狙いはやはりリュウヤだ。彼を睨みつけ、爪を尖らせ腕を振りかぶった。
リュウヤはその場から動かない。迎撃するつもりなのか。
そんなことはお構い無しに振るわれた五本の爪がリュウヤを襲いかかる。
だがそれは空振りに終わった。彼がいたはずの場所にはすでに影もなく、彼自身は敵の懐へと潜り込んでいたのだ。
しかしそう簡単に敵が攻撃を許すはずがない。
大オオカミはその巨体に見合わない身軽な動きで、リュウヤめがけて足を蹴り上げた。
それに驚くこともなく、空中で捌こうとするリュウヤだが、得物の防御壁を超えてダメージが通る。
威力で吹き飛ばされたリュウヤは着地する寸前で体勢を立て直し、距離を離すこともなくまたもや距離を縮めにかかった。
バカな獲物を見る眼で、大オオカミはリュウヤの接近を待ち構える。そして狙いの位置を通り過ぎる直前、そこめがけて鋭利な爪をふるった。
だがその一撃をリュウヤは川の流れのように受け流し、再度懐へと接近、三連撃の突き技ソードスキルを発動させた。
「ヴヴヴゥゥゥ!!」という唸り声が広場を響かせる中、リュウヤは危険を冒さずバックステップを踏んで距離を取る。
リュウヤはヒットアンドアウェイの戦法で攻めるつもりなのだ。
「くっそ、メンドクセェーーーなァッ!」
吠えながら、しかし後退することもなく果敢に攻めいるリュウヤを、アスナは冷や冷やしながら見ていた。
先ほど、リュウヤのガードを抜けて通ったダメージ。その一撃は彼のHPゲージを赤く染めるラインのギリギリを越えない場所を踏んでいたのだ。
いくら戦闘回復スキルがあるからといっても、あれではただの自殺行為だ。
なんとかして止めなければ、そう思うアスナはーーー何もできなかった。
「アスナッ、そこどいてろ、くるぞ!」
「ーーーッ!
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