第十八話 ミッション開始
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しかしリュウヤは軽く首を振って、やんわりと笑いながら、
「NPCであっても、一つの命さ。ま、そこらへんの事情はあとでじっくり議論しようぜ。今はあいつを殺さねえと」
幼子の失態をたしなめるように言うリュウヤだが、アスナの言いたいことがイマイチ伝わってない気がする。
戦闘などしなくてもいいではないかと言いたかったのだがーーーそれをリュウヤがようやく察したのか、モンスターへの視線は逸らさず、苦笑しながら答えた。
「ん〜、なに勘違いしてっか知らねえけど、俺の一番の目的はアレの排除だからな?」
「人命救助をないがしろにするつもりなんざねえけど」と付け加えながら、それ以上の質問は受け付けないと、背中で語ってきた。
とりあえず、納得はしないが戦闘態勢へと移行する。指示に従うことが同行の条件だからだ。
アスナが戦闘態勢を取ったことを確認したリュウヤは、腕を弓のように引き絞り、その手に持つ武器をーーー
「フっっっ!!」
「!?!?」
ーーー投げた。
それはしかし、ただの投擲ではない。
光をまとって、すなわち《ソードスキル》としての効果を以って彼我の距離を貫いていく。
そして訪れた《ザ・ベナンダンテ》への刺突音は、アクティブになったケモノの雄叫びと共に響きわたった。
それが戦闘開始の合図となった。
「なに……あれ…………!?」
見たことのないソードスキルに唖然とするアスナ。《投剣》のソードスキルと言われても、使用武器からその威力まで、その範囲を逸脱している。
普通ならば、使うのはピックなどの小武器で、牽制くらいの威力しかないのだ。
だがどうだろう、彼が使ったソードスキルは、単発重攻撃のソードスキルに勝るとも劣らない威力を保持していた。
そしてアスナが最も唖然としたーーーというか呆れたのが、
(なんで使う武器をいきなり投げ捨ててるのよっ!)
どう見ても彼が普段使っているだろう得物を、戦闘開始の初っぱなで手放したのだ。
だがリュウヤも考え無しに、唯一とも言っていい攻撃手段を手放したわけではない。
大オオカミが重い腰を上げたと同時に、彼はスタートダッシュを切っていた。
高レベルかつ敏捷よりのステータスを持つアスナでさえ、目をみはるほどの速度で距離を殺したリュウヤは、彼の足元でひざを曲げ、胸部に突き刺さったままの得物を引き抜く。
と同時にそのまま上昇、モンスターの全長よりはるか上まで跳んだリュウヤは重力落下の勢いも加えて、そのオオカミ頭へと、ライトエフェクトをまとった得物を振り抜いた。
「だぁらぁぁァっ!!」
狙い違わず頭部へと直撃。そのおかげで敵はスタンし、その時間でリュウヤはアスナの位置へと戻った。
「ふぅ、まずは挨拶って
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