第十八話 ミッション開始
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いことだらけだが、その形状を見て判断するに、槍の一種だろう。
穂とその少し下に片方付いている刃以外、全て緋色に染め抜かれており、柄部分にあたるだろう場所には奇妙な意匠が彫られていた。
この機にアスナは思い切って聞くことにした。
「ねえ、その武器って一体なんなの?」
「んあ?これか?答えてもいいけど……今それ聞く?」
「い、いけない!?」
「時間ないしなぁ。あとで教えてやるよ」
言うとリュウヤはキラリと緋く光るソレを肩に担いだ。
「で、早速で悪いが戦闘だ。しかもボス戦。準備はいいか?」
「は? え、ええっ?今から!?」
驚くが、できるだけ小さな声を努めた。
しかし驚愕は拭えない。転移してから一度の戦闘もなく、しゃべって歩いただけでボスに会合などあの団長ですら顔をしかめるだろう。
だがその反応は予想済みとでも言うふうに、それについてはなんの反応も示さずリュウヤは言葉を続けた。
「気持ちは分かるが安心しろ。前衛は俺だ。お前は後衛で隙みて攻撃してくれればいいから」
「じゃ、じゃあなにか策はあるのね?」
その端的な指示に少し不安を覚えたアスナはリュウヤに問いかけた。
が、しかし。
その期待を裏切るかのように、リュウヤはそっと目を伏せた。
「え……?ねえちょっと待って。まさかノープラン……?」
「だ、だ〜い丈夫だって。心配すんな、死にやしねえよ……………………きっと」
「最後にボソッと怖いこと言わないでよ!?その前も最低ラインは超えないだけで危険には変わりないんでしょう!?ーーーそうだ、情報は?なにかないの?」
「人型のオオカミ、ツメとかみ砕き、シッポに足による物理攻撃、変形アリと特殊攻撃アリ……かな?」
「なんでそんな自信なさ気に言うのよ!?」
「ええいっ、つべこべ言うなっ!見た目だけで類推しろとかムチャなんだよ!戦闘してる際に判断しろ!OK!?」
「もうムチャクチャじゃないっ!」
「うるせえっ!なんならここで隠れてりゃいいだろ!?」
「そんなわけにいかないでしょう!?行くわよっ、見殺しになんてしたくないものっ」
「くそっ、『戦闘に不安を与えたアスナを置いていく作戦』は失敗か……!」
「あなたこの状況下でよくそんなこと言えたわね……!?」
今までの流れが意図されたものだと知って、アスナは本格的にキレる一歩手前まで来ていた。
人がせっかく心配してるのに……っ! と思いながら腰に吊るされたレイピアに手をかけそうになっていると、リュウヤが真剣な顔つきに戻った。
「まあぶっちゃけ、本当に情報はないんだよね。だからぶっつけ本番ってことで、アスナ、後衛よろしく。ーーー行くぞ」
本当に何も
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