第十八話 ミッション開始
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ることがーーーしかも一年くらい前からーーー直っていないことが、若干心苦しくて、少々拗ねたような返事になってしまった。
「まいっか。できればさっさと直してね?こっちがめんどうだから。んで、さっきの質問だが、答えは『関係ある』だ。山犬ってのはニホンオオカミを意味するのは知ってるだろ?」
しかし念押しはするものの特に気にすることもなく、リュウヤは話題を戻して解説を始めてくれた。
アスナはこくんとうなずいた。
「さらに、日本じゃオオカミを祀る神社もあってな、当然それのお札もあるってわけよ」
「でもそれだけで転移するっていうのがよく分からないんですけど……」
「あれは、要は通行者みたいなもんだよ。入る人を制限するためのな」
「制限?」
「そうそう。ここは限られた人間しか立ち入れないようにしてあんだよ。無闇やたらに入ってこられると困るからだ。お前らのギルド本部とかだってそうだろ?」
問われて、確かにそうだとアスナは小さくうなずいた。
アスナの所属する《血盟騎士団》のような大ギルドでは、ギルド本部の入り口に門番がいる。それはギルドの情報を守るためであり、部外者の立ち入りを制限するためだ。
なぜかは問わずとも分かるだろう。無論のこと情報が知られれば最悪、命の危険さえ出てくるからだ。
つまりここは、それと同じで誰彼構わず入られると非常にマズイということだ。
「察しのいい娘さんで助かる。要するにここは《立入禁止区域》。入り口が鳥居なもんだから《聖域》っつってもいいかもな」
ニシシと愉快そうに笑うリュウヤ。
アスナはその発言を聞いて、神社に見立ててるのかと納得していた。
そしてアスナはふと、転移する前にリュウヤが放った一言を思い出す。
「そういえば………さっき『お祭り』って言ってましたけど、それも何か関係が?」
「もちろん。表現的にはだいぶ宜しくないとは思うんだが………そこはまあ茶目っ気ってことで、後で怒んないでね?」
「は、はぁ……?」
何が宜しくないのかさっぱり分からないアスナが生返事をしていると、曲がり角の手前でリュウヤの足が止まった。
ここまで一本道だったが、ようやく目的地へと着いたということなのだろうか。
アスナはリュウヤの表情を伺う。
すると、先ほどまでふざけていた雰囲気はいずこへと消え行き、真剣な表情が現れていた。
リュウヤは音を立てず隅から顔を出し、その先を確認したーーーかと思えば、なんの遠慮もなく舌打ちをかました。
「くそッ、ちと遅かったか………だがまだ取り返しはつくとこだな……」
ぞんざいにそう言うと、彼はどこからともなく得物を取り出した。
ボス戦などで稀に見ることができる彼の武器。名称や武器の種類は分からな
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