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喧嘩
1部分:第一章
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かよ」
「いつもは朝になったらもう仲直りしてるのに」
「何でなの?」
 皆で困り果てた顔で言うしかなかった。
「まだ喧嘩が続いてるなんて」
「想定の範囲外よね」
「全くよ」
「で、どうする?」
 一人が憮然と美奈の横の席に座ったその少年山崎良美を見てまた言う。二人は一瞬目が合ったがすぐに顔を背け合う。右に左に完全に百八十度になってしまっている。
「あの二人がああだとよ。こっちも気が気でないぜ」
「いつも仲いいから余計にね」
「ああ、困る」
 結論はこれであった。クラスの誰かと誰かが仲が悪いとそれだけでクラスの雰囲気全体が悪くなってしまう。とりわけ普段は仲のいい者同士がそうなると余計になのだ。
「で、どうするかだけれど」
「誰か考えある?」
「って言われても」
 皆クラスの端に集まってそこでひそひそと話をする。普通に席に座っているのはその良美と美奈だけだが二人の首は相変わらずの角度であった。
「こんなことなかったから」
「ねえ」
「いつも朝になったら戻ってたからな」
 だから皆昨日は笑ってられたのだ。しかし今日は違っていた。
「とりあえず仲直りしてもらうか」
「そうね」
「それしかないわね」
 とりあえずはこれであった。
「何はともあれそうしてもらわないと」
「あの緊張状態がずっとなんてな」
「もう耐えられないんだけれど、今の時点で」
 二人の間には剣呑極まるオーラが発散されていた。それはクラス中に満ち今にも爆発しそうである。皆そのオーラを感じて震えているのである。

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