ターン42 鉄砲水と魔性の贈答品
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して、そんな小さな仕草もいちいち可愛いなあもう。
そしてふと視界の端に捉えた太陽は、いつの間にかその5分の1ほどが水平線の向こう側に沈んでいる。日が完全に暮れるまでこうしているのも褒められたことじゃない、とにかく何か話しかけよう。
「え、ええと、その……」
「あ、あのね、って……」
「夢想、先に言っていいよ!?」
「ううん、とんでもないんだって!清明、お先にどうぞってさ!」
まずい、なんであと数秒でいいから待てなかったんだ僕の馬鹿。元々場を繋ぐためだけに話しかけただけだから、お先になんて言われても特に言いたいことなんてないぞ。
なにか会話のネタになりそうなものがないかとあちこちを見回しているとその時、偶然彼女の腕に付いたままのデュエルディスクが目に留まった。これ以上無言でいるのも不自然でしかないし、ここはもうこれしかない。
「ねえ、夢想。久しぶりにさ、デュエルやろうよ」
「デュエル?って」
首をかしげて聞き返してくる夢想に、デュエルディスクの支度をしながら頷き返す。やっぱり僕らはデュエリストなんだ、困ったときはカードの力を借りるのが一番。夢想も夢想で一瞬目をぱちくりさせるも、すぐにノリノリでデュエルディスクを構えた。ここで躊躇いもせずに受け入れるあたり、僕も僕だけどこの子もたいがいバーサーカーというかバトルジャンキー的な面があると思う。自分から言い出しておいてなんだけどさ。
「それじゃあ、デュエルと洒落込もうか?」
「もちろんいつでも大歓迎だよ、なんだって」
「「デュエル!」」
言い出しっぺの僕が先行。ふむ、悪くない手札だ。
「フィッシュボーグ−アーチャーを守備表示。さらにカードを2枚セットして、ターンエンド」
フィッシュボーグ−アーチャー 守300
「守りを固めるだけ?ってさ。私のターンに魔法カード、闇の誘惑を発動。デッキからカードを2枚ドローして、その後で手札の闇属性モンスター1体を除外。私はワイト夫人をゲームから除外して……さらに手札からワイトメアの効果を発動。このカードを捨てることで、ゲームから除外されたワイト夫人を特殊召喚だってさ」
ワイト夫人 守2200
大地が震え、地の底から古ぼけたドレスを着る女性の骸骨がせり上がってくる。さすが夢想、何ひとつ無駄のない流れるような展開だ。
「さらに、冥界騎士トリスタンを通常召喚だってさ。このカードは自分フィールドに他のアンデット族が存在するとき、攻撃力が300ポイント上がるんだって」
冥界騎士トリスタン 攻1800→2100
次いで現れた、赤い目の亡霊馬に騎乗する骸骨姿に青い鎧の騎士。自身の効果により攻撃力は2000オーバーと、守備力300のアーチャーを踏みつぶすぐらいならば7回は余裕で
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