4部分:第四章
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第四章
そのうえでだ。彼等はだ。それぞれ言うのだった。
「やばいなあ」
「このまま死んだら洒落にならないよな」
「美味いもの食っても死んだらな」
「どうにもならないだろ」
「しかし食ったからな」
秀は腕を組んで述べた。
「もうこうなったら仕方ないだろ。食ったら何があってもな」
「そうか、もうな」
「開き直るしかないか」
「食ったんだからな」
「もうな」
仲間達も秀の言葉に頷くしかなかった。とにかく食べてしまったのだ。
それならばだった。もう腹をくくるのだった。
「よし、もう何が起こってもな」
「いいとしようぜ」
「毒にあたろうが化け物に変わろうが」
「こうなったらな」
「何でも受け入れてやるさ」
こうそれぞれ言った。するとだった。
不意に彼等はだ。腹に感じたのだった。
「あれっ、さっきまで満腹だったのにな」
「ああ、何か急にな」
「腹空いてきたな」
「何でなんだ?」
皆このことにだ。いぶかしむのだった。
「あれだけ食ったのにな」
「急に腹が空いてくるなんだ」
「まだ食って二十分だぜ」
「それでか?」
「何でなんだ?」
こう話しているとだった。急にだった。
それぞれの尻からだ。何かが出て来るのを感じたのだった。
「えっ、まさか」
「大かよ」
「漏れたか、まさか」
「急に」
しかしなのだった。ここで皆こうも考えた。
「いや、幾ら何でもな」
「そうだよな。全員ってことはないよな」
「しかも食べてすぐだぞ」
「おまけに何もなくて急にってのは」
「ないよな」
こう考えたのだった。しかしだ。
実際に全員の尻から何かが出た。それはだ。
そのままそれぞれのトランクスやズボンから出てしまってだ。上にあがっていく。それはというとだ。
「えっ、人魂が?」
「人魂が出て来たぞ」
「さっき食ったばかりなのにか」
「そのまま出て来たのか」
「何なんだ、これって」
秀もだ。この事態には呆然となった。
「食ってそれがそのまま出て来るって」
「まさかこんなことがあるなんてな」
「普通大になって出るのにな」
「しかも一日で」
「けれどそのまますぐにか」
「出て来るなんてな」
「有り得ないだろ」
皆その上にふわふわと漂う人魂達を見ながら言う。彼等は特に思考や知能があるようには見えず海月の如く浮かんび飛んでいる。
彼等に特に襲い掛かるまでもなくだ。そのままであった。
「ああ、思い出した」
「何だ?」
「何をなんだ?」
皆秀の今の言葉に問うのだった。
「何を思い出したんだ、それで」
「一体」
「あの漫画だよ」
彼が読んで人魂を食べたいと思ったその漫画について話すのだった。
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