第十一幕その三
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「王女さん来てるのかな」
「わからないね、けれどね」
「王女さん本人が来たら」
「お話を聞こう」
「そうするべきだね」
「それでどれ位の速さなの?」
トロットがトトにアンの歩くそれについて尋ねました。
「どれ位の速さでこちらに来てるのかしら」
「そうだね、結構速いよ」
「速いのね」
「こっちに来るのもすぐだよ」
「そうなのね」
「うん、走るのに近いから」
「あの娘足速いのよね」
トロットはトトのお話を聞きながら言いました。
「歩くのも走るのも」
「いつもお身体を動かしてるから」
「畑仕事とかもしてスポーツも好きだから」
トロットはトトにアンの活発さもお話しました。
「だからね」
「それで足も速いんだね」
「そうよ、じゃあ待とうかしら」
「そうだね、もう三時だしね」
モジャボロは懐から懐中時計を出して時間をチェックして言いました。
「丁度おやつの時間だし」
「ええ、じゃあおやつの用意をしながらね」
「王女さんを待とう」
「そうしましょう」
トロットはモジャボロの言葉に頷きました、そして。
そのうえで、でした。皆でです。
煉瓦の横の少し荒れた場所に敷きものを敷いてでした、テーブル掛けも出して。
おやつの用意をはじめました、今日のおやつはです。
お抹茶にです、それに。
「上はういろうでだね」
「ええ、真ん中はお団子でね」
「下は蕎麦ぼうろの」
「和風にしてみたの」
つまり和風ティーセットだとです、トロットは腹ペコタイガーに答えました。見ればお皿も和風のものになっています。
「今日はね」
「恵梨香が一緒だからかな」
「ええ、そうよ」
その通りとです、腹ペコタイガーにそのこともお話しました。
「これにしたの」
「そうなのね」
「そう、それにね」
「それに?」
「実はアンは和食好きなの」
このこともあってというのです。
「あちらのお料理もね」
「それで出したんだ」
「そうなの、恵梨香とアンのことを考えてね」
「嬉しいです」
恵梨香はトロットの言葉を聞いて笑顔で言いました。
「じゃあ有り難く」
「ええ、食べてね」
「そうさせてもらいます」
恵梨香は笑顔で言って。そして。
皆で、なのでした。おやつの用意をしていますと。
アンが皆のところに来ました、見れば今のアンの服装はトロットと同じ様な旅の服です。腹ペコタイガーはそのアンに尋ねました。
「君が来るのはトトが匂いからわかっていたけれど」
「あら、そうなの」
「うん、それでどうして来たのかな」
「放っておけないって思って」
「僕達を?」
「だって薔薇の国に行くのよ」
それでというのです。
「あの国に行けばね」
「不愉快な気持ちになるから」
「そう、だから
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