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第一章
人魂料理
八坂秀は薄い眉に黒髪をワイルドな、狼を思わせる髪型にしている。
顔は白く面長で鼻の形は優しい。唇も薄く淡い桃色である。目は奥二重になっていて優しげなものである。背は一八〇程ですらりとしている。足が長い。
大学に通っていて趣味は料理と食べることだ。その彼がふと仲間内で言ったのであった。
「なあ、漫画で読んだんだけれどな」
「何だ?また料理か?」
「そのことか?」
「ああ、それのことになるな」
実際にそうだと答える彼だった。
「それになるな」
「で、何の料理だ?」
「今度はどんな料理を考えてるんだ?」
「変わった料理だよ」
こうも話す彼だった。
「ええとな、それでな」
「ああ、それで」
「どんな料理なんだよ」
「人魂だよ」
彼は言った。
「人魂を料理して食べたいんだけれど」
「おい、何の漫画読んだんだよ」
「いつものグルメ漫画じゃねえのかよ」
「ああ、あの有名なお化けの漫画だよ」
何度もアニメ化されている。まさに国民的となっているその漫画だというのである。
「それ読んでたら人魂が出ててな」
「そういえばそれ食う場面あったな」
「そうだな」
話を聞く面々もここで頷いた。
「出て来ることは出て来るよな」
「それで食われてるよな」
「あれ見て思ったんだよ」
秀の言葉は続く。
「滅茶苦茶美味いんじゃないかってな。人魂ってな」
「何かつるんとした感じするよな」
「で、天麩羅にして食ってたな」
「あれか」
「あれを食いたいのか」
「ああ、食いたい」
彼はここでははっきりと言った。
「一回だけでいいからな」
「食えるのかね、実際に」
「どうかね、それって」
皆彼の話を聞いて今度はいぶかしむ顔になった。
「それで美味いのかね」
「漫画じゃ美味そうだけれどな」
「それは食ってみてわかるだろ」
秀はまた皆に話した。大学の喫茶店の中でコーヒーを飲みながら話をしている。白い店の中の白いカップの中に黒いコーヒーが映えている。
それを飲みながらだ。彼は皆に話すのだった。
「実際にな」
「そうか、食うか」
「どうしてもか」
「ああ、食う」
彼は既に決めていた。そしてであった。
さらにだ。こう皆に話すのであった。
「それで今夜な」
「おい、早速だな」
「もう人魂食うのか」
「そうするつもりか」
「人魂って確か墓場にいたよな」
そのいる場所についても話をするのだった。
「漫画とかじゃそうだよな」
「あれって人間の魂だよな」
「そうだよな」
「色々言われてるけれどな」
「だよな」
「だから墓場でふわふわと飛び回ってるよな」
漫画で得た知識を話す秀だった。
「それじゃあ。
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