第3話「ペットのネーミングは飼い主のセンスが表れる」
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ま銀時は源外から渡されたツマヨウジを腰から抜いて、飛びかかって来た獏ウィルスを突き刺した。すると獏ウィルスは身体ごと膨れ上がり、風船のように破裂してしまった。
『獏』は情報を食らい続け成長するウィルス。
だが逆に言えば、どんな情報も吸収してしまうスポンジのようなもの。そこに食中毒を引き起こす腐った情報を送れば全身を毒づけにできる。
このツマヨウジは毒に侵された胃袋にさらに毒を送り続け、獏ウィルスを破裂させる武器なのである。
「上等じゃねーか。食べカスはとれねーが、チンカスウィルスとれるツマヨウジってか」
源外特製の武器を振り回しながら、銀時は迫りくる獏ウィルスたちを一掃していく。面白いくらいに獏ウィルスたちは一瞬で粉々に散っていった。
しかし、それ以上に敵の数はどんどん増え続ける。いくら瞬殺できる武器でも、圧倒的に数が多ければ全てはさばき切れない。塊になって襲われたらひとたまりもない。
「天人、退路を開け。一旦退くぞ」
「ピザ女が指図すんじゃねぇヨ!」
双葉に反発しながらも、神楽は出口の獏ウィルスたちを蹴散らして逃げ道を作る。新八と銀時は敵を倒しながら走った。続いて双葉も犬を片手に抱えて出口へ向かう。
だが、敵が獲物を黙って見過ごすはずがない。
【逃がすと思うか!ここで貴様らは朽ち果てるのだ】
鈍重そうな肥満体の偽白血球王が軽々と宙へ飛び、そのまま双葉めがけて落下する。
しかし目の前の敵に気を取られていたために、彼女は頭上の危機に気づかなかった。
「双葉!!」
兄の叫びでやっと見上げるがもう遅い。偽白血球王は目前に迫っていた。
――しまった……!
“ガウッ”
【うぎゃあ!】
突然、偽白血球王は悲鳴を上げて地面に倒れた。
双葉の腕から飛び出した犬が噛みついたからだ。弱々しく震えていた姿からは想像できないほどの疾風ぶりだった。
「シロ!?」
【違います。彼は犬ではありません。『ラーの鏡』よ、真実を照らし出せ】
思わず目を見開く双葉の隣で、『たま』は偽白血球王に噛みつく白い犬に鏡を向ける。
【我を護りし比類なき勇者に再び剣を――】
鏡の眩い光に包まれた犬は別の姿へと形を変えて大爆発を起こし、偽白血球王と王室の獏ウィルスたち全てを消し飛ばした。
そして爆風が吹き荒れる煙の中から、人の姿が浮かび上がる。
汚れなき純白のマントを羽織り、どんな敵も貫く白銀の剣を携え、輝く銀の髪をなびかせる人影。
「誰だ?」
双葉を始め、銀時たちも怪訝そうにその姿に注目する。
【ご紹介します。彼こそが数多のウィルスを討ち滅ぼし、私の体内を護り続けてきた最強のセキリュティプログラム。正真正銘本物の――『白血球王』です】
荒れ果てた王座に降臨するは、果たすべき使命を抱いた青年
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ