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【銀桜】9.たまクエ篇
第3話「ペットのネーミングは飼い主のセンスが表れる」
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手な建物。
「寄り道してる場合ですか!早くしないと、たまさんがどんどんウィルスに侵されてしまうんですよ」
「そうだ。まずは西の毛細血管洞窟でレベル上げだ」
「それも違いますよ双葉さん!」
 すぐさまツッコむ新八だが、坂田兄妹のゲーム論はまたもや勃発する。
「うるせェな〜。RPGは冒険出る前の下準備が大事なの。木剣とかゆるい装備じゃこてんぱんにやられちまうだろ。まずは金稼いで能力値(ステータス)高ェ武器買って、回復アイテム揃えてからバトルのが基本。俺は危ない綱渡りの冒険は避けたい主義なの」
「そうやってミニゲームに夢中になっているからメインシナリオも進まず、クリアできない積みゲーが増えるんだ。寄り道ばかりしてないで、とっととエンカウントを積み上げろ」
「双葉、アレか?かたっぱしから戦って経験値稼ぐタイプか。お前みてェな奴が初っ端からゲームオーバーばっかになって、しまいにゃコントローラー投げ出しちまうんだよ」
「勝手に決めつけるな。だいたいミニゲームばかりしていてはいつまで経っても強くなれないだろ。装備やアイテムは経験値のついでに稼いだ金で買えばいい」
「バトル尽くしもいいけどよ、少しはカジノとかサブイベントも楽しめよ。ゲームが早く終わっちまってつまんねぇだろが」
「このバカ兄妹!!RPGで揉めるのもいい加減に―」
 直後、何かが喉に突き当たり沈黙する新八。
 NGワードに反応した双葉がツマヨウジを押しつけたのだ。
「駄メガネ、誰が『バカ』だと……」
「ああ、す、すんませんでした」
 反射的に両手を挙げて謝ってしまう新八。
 木の棒なので殺傷の心配は全然ないが、彼女の眼は殺気に満ちている。刃を向けられるより怖い。
「まぁちょっくらカジノで一発当ててくるわ」
“バコッ”
 隙をみて抜け出そうとした銀時も、喉に衝撃をくらって倒れた。
 さっそうに兄の前方に回った双葉のラリーアットが炸裂したのである。
「遊びはここまでだ。さっさと城へ案内してくれ、カラクリ」
【了解しました。ではこちらへどうぞ】
 気絶した銀時をズルズル引きずって双葉はスタスタと進んで行った。
 そう、彼女だけやけにスタスタと。

* * *

 たまの案内で城の王室に入るなり、双葉はさっそく頼まれていた言伝を王に伝えた。
【おお、なんということか。我が白血球軍がウィルス軍に敗北したと申すか】
「兵士の最期の伝言だ。できればウィルスの魔の手が国に迫る前に王も逃げてほしいと」
【おお、この国のために戦い傷ついた白血球達を残し逃げるなど、其のような事ができようか】
 感慨深く頭を抱えて嘆く白血球王。
 だがやたらゆっくりな口調と暑苦しい肥満体型のせいか、何だかわざとらしく聞こえる。
 しかも玉座の白血球王は見張りの衛兵二人と同じ全身白
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