2部分:第二章
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第二章
当然ゴミ箱もだ。鼻をかむ以外の理由でいつもティッシュが溢れ出てしまっている、これもまた非常に高校生らしい青春、即ち白い青春という激情の赴くまま溢れさせてしまったそのゴミ箱にも何も入ってはいない。おまけにだ。
部屋の中央にはだ。ベッドの下に隠していたと思っていた、彼がそう思っていたその彼の誇りでありよからぬ知識や教養の源泉がだ。丁寧に積み重ねられていた。しかもそれはジャンルごとだ。そこにはハードSMや調教ものといったものまである。彼の深い研究はそうした分野にまで及んでいたのだ。無論そこには洒落にならない裏もののビデオまである。そう、無修正ノーカットバージョンだ。そこに描かれているエロスは表のものよりも遥かに凄まじいものがある。アイドルビデオもあるがそうしたものも全てであった。見れば恥ずかしいフィギュアもだ。埃が払われていた。彼の造詣はアニメにまで及んでいる。まさに二次元であろうが三次元であろうがだった。彼にそうした意味での境界はなかった。タブーも存在してはいなかった。まさに真のスケベ博士なのだ。ただし実行には移さない。
その幾つにもなっている重ねられているよからぬ本やビデオ、DVD達を見て彼は悟った。一体何があったのかをだ。
「御袋、掃除したのかよ」
そのことを悟ったのである。彼は部屋を掃除したりなぞしない。しかし今は完璧に掃除されている。間違っても父親が掃除したりなぞしない。ましてや彼は父親似である。性格がだ。ついでに髪の毛もだから気にはしている。
だとすれば残るは一人しかいない。母親だけだ。そこに無言の圧力も見てである。
彼は愕然としてその場にへたれ込んでしまった。あえて何も言わないけれどちゃんとわかってるわよ、という母親の言葉をそこに聞いてである。如何に学園最強最悪のスケベ大王とはいってもだ。母親には勝てないのだった。その存在だけには。
恐怖の掃除 完
2011・4・9
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