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ソードアート・オンライン 〜紫紺の剣士〜
アインクラッド編
8.報告会
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その代わり、とミーシャは笑顔で言った。毎日とは言わないから、できるだけ、このギルドに帰って顔を見せて欲しいと。≪夜桜唱団≫が俺に提示した条件は、それだけだった。


***


「そういえば」
食後のお茶を飲んで一息ついた後、不意にタクミが呟いた。
「2人が帰ってくるって」
「・・・は?」
突然のセリフについていけない4人を代表して、シルストが首を傾げる。聞こえなかったと思ったのか、タクミは、今度はゆっくり、先程の台詞を繰り返した。
「2人が、帰ってくるって」
「2人って、あの?」
「うん」
えぇ!?と驚いた声を上げて、ミーシャはウインドウを開いた。次いでホントだ!と叫ぶ。
「なんで早よ言わんの!」
「さっきメッセージがきた」
「なんでタクだけなん!?」
「さぁ」
俺が困惑しているような様子で黙ったままなのを察知したのか、アンは苦笑混じりに教えてくれた。
――――――曰く、もう2人ギルドメンバーがいて、その2人は武器強化のために、一時的にギルドを離れていたのだ、と。
「皆を付き合わせるのは申し訳ないからって。・・・まぁ、2人で過ごしたかったって言うのもあると思うけど」
「何故最初に説明しないんだ」
「状況を説明するのが・・・面倒だったじゃないかな?ミーシャのことだし。あの場には居なかったから、改めて紹介するつもりだったんだよ。・・・多分」
今さらギルドメンバーを確認してみると、確かにもう2つ、名前があった。名前は、"リヒティ"と"クリスティナ"。もっと早く確認しておくべきだった、と思ったのも束の間。店の扉がやや乱暴に開けられ、「よぉみんな、ただいま!」と大音量の挨拶。
「声大きい」
タクミに注意されても、声の主、リヒティはニヤリと笑っただけだった。



リヒティとクリスティナの挨拶、俺の紹介がそれぞれ終わり、2人はつけっぱなしだった装備を外した。リヒティはメイスを、クリスティナは槍を装備していた。
「ねえクリス、槍どうなったの?」
「そうね、おかげさまで無事新しい槍に更新できたわ。1週間も離れていてごめんなさいね」
「かなり強くなってたな!」
追加注文した料理をかき込みながらリヒティが付け加える。そんな彼を見て、クリスティナはニッコリ笑った。
「リヒティが手伝ってくれたお陰よ」
「いや、クリスの頑張りだ」
「リヒティよ」
「クリスだ」
「・・・コホン!」
わざとらしいシルストの咳払いを聞いて、2人は無意味な押し問答を止めた。ミーシャはニッコリ――――と言うよりはニヤニヤ――――笑っている。
「2人は付き合ってる」
意外にも、タクミが教えてくれた。何となくそうだとは思っていたが。あんなにベタベタした雰囲気を醸し出しておいて、付き合っていなかったら逆におかしい。
「なぁ
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