二
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「あのライオンの口の中だろ。」
「そうそう、あそこ俺お気に入りだったんだ。」
燐はケラケラと愉快そうに笑いながら話す。
雪男も少しずつ記憶の引き出しを開けながら、僅かに呆れたような表情で会話を交わす。
2人の頭の中には、同じように橙色に染まった寂しげな公園が、ポツンと浮かんでいた。
「なあ、俺あの時、誰かと一緒にいなかった?」
「誰か、って?」
「今日授業で雪男に起こされる寸前に、俺に話しかけてきたヤツがいたんだよ。
なぁんかこう、ここらへんまで出てんだけど、ぬぁぁもうちょっとで思い出せそうぅぅ……」
「確かに誰かいたような気がするな。誰だっけ?」
「ぐわぁぁぁぁ気になる!超!気になりすぎて寝れねぇ!」
「兄さんはその前に宿題終わらないと寝れないよ。」
「チッ、ごまかせなかった…」
「はい、さっさとやる!」
燐はあの公園から現実世界に引き戻され、心底嫌な顔をした。
そんな事も知ってか知らずか、雪男はまた愛銃へと目線を戻して作業を進める。
そんな雪男の後ろ姿を数秒見つめて、燐は、はぁと長めのため息を一つだけ吐いてから教科書とのにらめっこを再開させるのだった。
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