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ソードアート・オンライン -Need For Bullet-
-Bullet3-狩りの時間だよ
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そえると視界に着弾予測円(バレットサークル)が表示される。これはFPSでよくあるクロスヘアを円状に表示したものだ。ただしこの円は随時大きさが変わる。銃の精度、スキル値やフィールドの風などの要因も大きいが、一番大きな要因は鼓動だ。心臓が一回ドクンと脈打つたびにサークルは大きくなり、そして徐々に収縮する。つまり長距離の敵やヘッドショットを狙おうとするならば鼓動と鼓動の間で狙い打たなければならない。なんとまぁめんどくさい仕様だ。
 獲物との距離がおおよそ400mを切る。ここまでくれば獲物の軍用車はサークルの中からはみ出るくらいに見える。ここまで近づけばもういいだろう。狙いを少し動かしサークルの中心に運転席があるであろう場所を合わせる。ゆっくりと呼吸しサークルの収縮する瞬間を狙う。舌をペロリと出して上唇をなめ、サークルが一番小さくなった瞬間、静かにボクはトリガーを引いた。
 轟音とともに銃弾が放たれ、爆風で舞い上がった砂煙が一瞬視界を遮る。銃弾は一直線に獲物へと飛び、ほぼ狙い通りに突き刺さった。そして装甲板を簡単に貫通し、ゲラゲラと笑っていた運転手、そしてその後ろに座っていたプレイヤーを真っ二つにした。きっと彼らは何が起きたかわからなかっただろう。なぜなら彼らが絶対の自信を持っていた装甲板が撃ち抜かれたのだから。そして、運転手を失った車は、制御を失って岩に激突、停止した。
「やったよ!一発だよ!一発!先輩ちゃんと見てた?」
「ちゃんと見てた。まだ生き残りがいるかもしれない。警戒しろ。あとこっちで先輩って呼ぶのはやめ」
「出てきた!撃っちまーす!」
 チェンバーに次の銃弾を叩き込みボルトを閉鎖。再びスコープをのぞき込んだ時、岩に乗り上げた車の扉が開き、その隙間から人の足が出てくるのが見えた。足が地面につくのとほぼ同時に再びトリガーを引くと足の持ち主は扉ごと吹き飛んだ。 多分バラバラだ。
「ナイスキル。残りが居ないか確認しに行く。ミウラは動くなよ。」
「りょーかい。」
 少しすると倍率を最低に戻したスコープの中にごそごそと動く枯草の塊が見えた。よく見るとそれからは手と足が生えている。ギリースーツを着込んだアコードだ。あの姿では動いていれば妖怪、動いてなければただの小さな草むらに見えるだろう。少し倍率を上げるとその手にはイタリア製機関拳銃『ベレッタM93R』が握られていた。この前ミウラが使っていたのはアコードのM93Rである。車の影でマズルフラッシュが2回光るのが見えた。ご愁傷様である。ミウラはそっと手を合わせてからPTRDをストレージにしまった。代わりにホルスターにしまっていたUNICAを引き抜いた。本当は戦場でメインアームをしまうのはあまり勧められる行為ではないのだが、流石に全長2mもある大砲を持って歩くのはこたえる。





 

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