第20話怒りの武脚
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長した女性の象徴を邪な目で見る者もいる。その瞬間、ミラは全身に大量の鳥肌を作った。その妹の前に兄が立つ。
「でも《隻竜》を先に殺った方がその後妹の身体楽しめるぞ?」
「いや、《隻竜》クンはオレが殺る」
『!?』
そこに一人男が現れた。その男はラフコフメンバーにとっては最強の味方であり、二人の兄妹ーーー特に兄にとっては最強最悪の鬼人。メンバー全員が黒を基調にしたマントを羽織っている中、黒いポンチョを被り、片手に隻腕の少年のトラウマの塊を握る男ーーー
『リーダー!』
「・・・PoH!」
《笑う棺桶》リーダー、PoH。この鬼人の登場に三人のラフコフメンバーは歓喜の声をあげ、少年は恐怖がこもった声をあげる。
「巫女の方は好きにしろ。コイツはオレの得物だ・・・邪魔すんな」
覚悟していたーーー覚悟していた筈なのに、隻腕の少年ライリュウは動けない。動くことが出来ない。脳裏にかつて、己の左腕を切断された事件の光景がフラッシュバックされる。そのせいで気付かなかったーーー
「ハイお嬢ちゃんコッチだぜぇ」
「刀は没収〜♪」
「ちょっ・・・離して!」
「おとなしくしてれば痛かねぇよ」
「!!」
妹に接近する邪な殺人鬼達に。
「ミラ・・・!!」
「テメェは周りが見えてねぇのか?」
「ゴハッ!」
妹の助けに向かう兄。その歩みを蹴り飛ばし止めるPoH。その一撃で彼のHPの1/4が削られた。
「defence弱ぇなぁ、テメェは切れ味だけの薄っぺらなpaperか?」
たかが蹴りの一発。それだけで大ダメージが通る防御力の薄さ。あと三発で死んでしまいそうな彼を、薄っぺらい紙だと嘲笑う男。
(未来を助けに行きたくてもPoHが邪魔をする。PoHを倒してもその間に未来が。おまけに友切包丁なんて・・・どうすりゃいいんだよ・・・)
心の中で彼が諦めかけたその時ーーー
「そういやあのくの一のガキも、乳小さかったけど形は良かったな〜」
妹を辱しめる一人の男の声が聞こえた。
「俺もあの赤チャイナの女、殺っちゃう前に貪りゃよかった〜!」
「それを言っちゃオレっちなんて対象で既に失敗だったぜ?白装束着てっから「殺してください」って言ってるもんだと思って思いっきり「ズパァァン!」ってしちまったよ」
くの一、赤いチャイナ、白装束、その単語の羅列にーーー覚えがありすぎて。
(そうか・・・)
確信したーーー
(あいつらが・・・)
小さな巨人のーーー
(仇・・・!!)
その瞬間ーーー
「イッツショウタイム!」
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