キャリバー-Happy temperature-
第九十八話
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! ――などと言って飛竜の方に乗れたのだが。……なんて、ユウキがそう考えているかは分からないが、確かに言えることは、いつになくユウキが悩んでいることだった。
「……うん、女は度胸だ! ボクもトンキーの方に乗るよ!」
「じゃあヒーラーが被ってはいけませんし、私はあっちですね」
「シウネーが行くならあたしも〜」
「じゃあオレも」
「えぇ!?」
スリーピング・ナイツの半数がリーダーと逆の選択肢を選び、さっさとシリカの飛竜に乗り込んでいく。ショックそうな表情を隠しきれないユウキの視線が捉えた先は、トンキーを見て立ち尽くしていたレインにタルケンだった。
「レインにタルケンはこっち乗るよね?」
「あ……う、うん」
「あ……はい」
知らず知らずのうちに、ユウキから発せられた圧力に二人は屈していた。そんな様子を見物しながら、俺とリズはもちろんトンキーの方へと乗り込んでいた。見た目はともかく、苦楽を共にし苦境を救ってくれた友人である。
「じゃあ僕も、そっちでいいですかねぇ」
スリーピング・ナイツで唯一残っていたテッチが、相変わらずマイペースな様子でそう告げたが、それをキリトが申し訳なさそうに制止した。
「あー……悪い。トンキーは九人が限界なんだ。残りはシリカの飛竜に乗ってくれるか?」
「それは残念。まあ、遅かったから仕方ないです。またの機会に」
そんなキリトの言葉にふと気になって、トンキーに乗っている人物を数えてみる。妖精となっているユイはともかくとして――俺にリズ、リーファ、キリト、アスナに、ユウキとレインとタルケン。八人しかいないと思っていたが、知らない間にリーファの斜め後ろにレコンが生えていた。恐るべし。
「いやーっ! オレもトンキー坊に乗りたかったんだがよー! 残念だなぁオイ!」
白々しくそう叫びながら、クラインがシリカの飛竜へと乗っていく。残っていたシノンにルクスもあちらに乗り込み、これで全員が《エクスキャリバー》が待つダンジョンへと赴ける。
「よし、トンキー。行くよ!」
リーファの号令の下、トンキーとシリカの飛竜が大きく風を轟かせながら飛翔する。確か《エクスキャリバー》があるダンジョンまでには少し距離があり、しばし雄大な空中を臨む旅――と思っていたのだが。
クラインの発言を皮切りに、そういう訳にはいかなくなった。
「オイ……何をやってるんだ、あいつらはよ」
戯れに《ヨツンヘイム》の地上を眺めていたクラインが最初にその発言に気づき、ジュンがこちらにもそれを知らせてくれた。地上で起きていた――プレイヤーと人型邪神による、トンキーの幼生体と同種の邪神が狩られているという様を。
プレイヤーと邪神が協力しているという
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