2部分:第二章
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第二章
「巨乳の役ばかりなのにな」
本人は違っていた。このことに落胆することしきりだった。それでだった。
以後彼はキャラクターから声優の外見を連想することはしなくなった。しかしある意味において新しい楽しみを見出したのであった。
声優のラジオを聴く。その胸のない声優さんの出ているラジオをだ。するとだ。
その胸のことが何かと言われていた。こんなことを言われていたのである。
「誕生日は七月十六日、ない胸の日!」
相手役の声優さん、実はこの人も胸がないのだがその人に言われた。そうしてなのだった。
ファンレターにだ。こんなことを書かれる始末だった。
「これからも成長を期待しています。特に胸の」
「僕はどっちかというと胸の大きい人が好きです」
そうしたファンレターに対する声優さんの対応はだ。こんなものだった。
ファンレターをぐしゃと握り潰してだ。額に怒りのマークを浮かべて言うのであった。
「はい、ばーーーかばーーーか」
「大概いらっとする」
その後で相手役の声優さんにいじられ倒す。胸はなくともとにかくあらゆる意味でキャラは立っている。声優さんのそうしたところを楽しむようになったのだ。ある意味においてだ。彼は真のファンになったのである。
ない胸 完
2011・4・7
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