二十三話:新たな始まり
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れるのだ。
それだけで、フェイトははやてが何か悪いことをしようとしているのではないと理解する。
そして、最大の難関である巨大なスフィアを越えてゴールに猛進している二人の映るモニターへと目を移すのだった。
「ティア、試験終了まであと何秒!?」
「後、15秒よ! あんたはとにかく前見て走りなさい! 最後のスフィアは私が落とすから」
「分かった!」
試験途中のアクシデントにより足首をねん挫したティアナを背負い直線を駆けるスバル。
ゴールはすでに視認できる距離まで来ている。その為スバルは一切の加減をせずに速度を出す。
その間にティアナが最後のスフィアを撃ち落とし、その役目を終える。
後はゴールをするだけである。しかし、ゴールが近づくにつれてティアナにある不安が芽生えてきた。
「スバル、これちゃんと止まれるんでしょうね?」
「大丈夫! ゴールと同時にティアを放せば壁にぶつかるのはあたしだけだから!」
「そう、それなら安心―――じゃないわよっ! 放り出されても困るわ! 大体、今足が使えないから受け身も取れないわ! というか、そんな映画みたいなことできるかーッ!」
「……あ」
「あ、じゃないわよ、このバカスバルッ!」
『第一、あんたが危ないでしょうが』という言葉を言う素直さも時間もなくティアナは迫るゴールと壁に表情を青ざめさせる。
一方のスバルもこのままではティアナに被害が及んでしまうと慌て、青ざめる。
ただでさえ、自分の不注意で迷惑をかけたのだ。これ以上、迷惑をかけるわけにはいかない。
そう思うものの、先ほど言われたとおりに彼女を投げ出すこともできずに壁だけが近づく。
『う、うわぁあああっ!』
遂に念願のゴールを通り過ぎてその先の壁が目の前に差し迫る。
思わず、二人そろって悲鳴を上げるがそんなことでは一度上がった速度は落ちない。
しかしながら、そこに救いの手が差し伸べられる。
『Active Guard with Holding Net.』
あわや壁に人型の穴を空けてしまうかといったところでクッションと魔力の網が展開される。
そこに突っ込んだ二人はさながら網に絡まった虫のようだがケガはない。
先程の走行のショックからか呆然といった様子で何をすることもなく、固まる二人。
そんな二人にツヴァイが危険行為を厳しく咎めるが、その予想外の小ささも重なりまるで耳に入ってこない。
そこへ、ツヴァイを宥めるように新たな人物が現れるのだった。
「まあまあ、そこらへんは後でしっかり言うとして、今は試験お疲れさま。リインもね」
「ありがとうございますぅ、なのはさん」
舞い降りてきたのはなのはだった。先程のセーフティーネットは彼女が張ったも
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