第十三話
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来を自由に選択できたアナタ達に私の苦しみが分かるわけがない、いやあってたまるか!!父に決められたルートを辿らなければ、直ぐにでもゴミくず同然になる重圧を受けて育った私とアナタ達とは根本的に違うんですよ!!」
「だからどうした?」
紫藤が俺を睨む。そんなおもちゃが欲しいみたいに泣き叫んでも俺にとっては関係ないんだよ。お前と俺は確かに生活も育ちも根本的に違うのは理解できる。
だけどな……それだけなんだよ。
「自分が悲劇の主人公みたいに言っても俺には関係ないね。だって、ここで殺す事には変わりはないんだからよ」
「た、田中先輩!」
小室が何か後ろで叫んでいるが関係ない。そして俺は引き金を引いて弾丸が発射されると音と同時に、紫藤は眉間に銃弾を食らって倒れた。
その様子に周りの空気も固まるが、その空気を打ち破ったのは小室だ。
「どうしてあんな事を!!」
「あいつに同情でもしたのか小室?」
「だって……!!」
「なあ……お前はどっちの味方なんだ。宮本か、それとも紫藤か」
この言葉に小室は固まる。こいつの良い所は、お人よし過ぎる所だ。何に対しても面倒だと言っても誰に対しても積極的に対応しようとする姿勢だ。
それが良い所もあれば、今のように悪い事もある。
まあ、小室が言いたいこともわかるよ。実際に大勢から見れば、俺の行為など狂った狂人の行為にしか見えないもんな。小室の対応は後にして、今は紫藤の取り巻きの対処だな。
「おい、とっととこの屋敷から消えな。それとも崇拝していた紫藤様の仇討ちでもするか……俺と一戦交えて」
俺の言葉を聞いた瞬間に、紫藤教に染まっていた生徒達は一目散に逃げていった。ふん、差し違える覚悟で仇を討つという考えにまではいかなかったようだ。
「何か言いたいんだろ。言えよ……」
小室達の視線が俺に集中する。まあ、こうなる事を理解してたくせに、あんな行動をとるんだからな。本当に自分でも救えないくらいに、狂ったようだな俺は……。
だが、次の瞬間。本当の闇となる終末の光が降り出した。そしてこの瞬間に、俺達は本当の闇を知る事になる。
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