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第一章
ない胸
西海健吾はアニメが好きである。それで色々なアニメを観ている。
アニメを観ていてだ。彼が意識することはだ。
声優だった。彼はキャラクターやストーリーも観ないわけではないがそれ以上にだ。キャラクターの声をあてる声優に注目する派だったのだ。
つまりアニメファンであると共に声優ファンであったのだ。いつも声優雑誌を買ったりもしている。それでめぼしい声優はベテランも含めて皆注目していた。
その中でだ。とあるアニメにおいてだ。
黒髪のロングヘアに切れ長の目の如何にも日本的な外見のキャラクターがいた。そのキャラは胸も大きかった。胸のあるなしはアニメにおいても非常に大きな意味がある。そのキャラはそこでも合格だった。
そのキャラの声をあてている声優についてはだ。エンディングのスタッフロールで名前をチェックした。その声優さんが演じている他の役を観てみる。するとだ。
どの役も胸が大きい。キャラはツンデレ系ばかりだがとにかく胸の大きい役が多い。彼はそれを見てだ。その声優についてある結論を出した。
「胸が大きいな」
こう思ったのである。これは確信にまで至った。それもすぐにだ。
それでだ。チェックはだ。声優雑誌よりも先にネットですることにした。世の中便利になったものだ。チェックしようと思えばネットですぐにできる。彼は今回それを使ったのである。
そしてネットでその声優をチェックするとだ。顔立ちはよかった。
顎が多少しゃくれているがそれでもだ。はっきりとした目ににこやかな笑顔、美人と言ってもいい。声優は舞台に出たりすることもあるせいか外見が整っている人も多い。その声優さんも同じであった。
しかしだ。全身像を見るとだ。スタイル自体はいいがだ。
胸はなかった。胸の大きい役ばかりだというのにだ。胸はなかった。彼はそれを確認して大いに落胆してしまった。
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