第3章 リーザス陥落
第81話 ジオの町の再会
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〜自由都市 ジオの町〜
それは、翌日の事。
本当の意味で、一難去った、と言えるだろうか? 昨日は色々と大変だった。無数の質問やら何やら、気が休まらない、と言っても良い。……皆が無事で、こうやって はしゃげる、と言う意味では本当によかったと思う。
それでも、激戦区ではやはり死傷者は出ているのが現状だった。その事は悔やまれるが、国の為 胸を張って散っていた者達へ黙祷を、バレスを始め、殆ど全員がしていた。
その時は流石に、質問とか、色々黙っていた。
そして、場所はジオの町の宿。
「えへへ〜〜 おにぃちゃんっ、撫でて〜!」
「ははは。はいはい」
ユーリとヒトミ、である。
ヒトミは、ユーリの膝を枕にして寝転がっている。ユーリは、ヒトミの前髪が目に入りそうだった事と『撫でて』とお願いをされた為、ゆっくりと髪を梳いてあげていた。
長らくヒトミは懸命に、献身的に働いてくれた。兵士達をねぎらう事もそうだし、外見を考えたら、10そこらの年齢に見えるのだが、大人顔負けの仕事量をこなし、更にはどんなにきつくても、辛くても、皆の傍では決して顔には出さない。
いつも笑顔でいる。
その笑顔に皆が救われた、と言っていい程だ。
だから、彼女にも休息を……と、マリアが思って そう提案した。
勿論、ヒトミは『私が無理を言ってついてきたから』と、頭を縦に降らなかったけれど、事情を諸々知っているユーリが最終的には窘めた。
そして、結果的に言えば 最愛のユーリの言葉もあり、どちらかといえば、自分が心配をする立場なのに 兄に心配をかけてしまうのは複雑、と言う事で ヒトミは了承した。ユーリが『頑張ってくれたご褒美』と言ったら、ヒトミは迷わず、《ユーリと2人っきりの時間を欲しい》と言ったのである。
兄妹仲睦まじ、とマリアは 本当に良い笑顔で笑っていた。勿論他の皆も同じだ。
ああ、因みに小屋での1件が 終わって………、いや 終わってない。ジオの町に来ても非常に視線を感じている。――現在も 多少なりとも感じたりしている。気配を探る事に関しては、戦いにおいても、冒険の過程でも 重要な感覚だ。
ユーリは、それを 長年かけて育んできた。だからこそ……これも感じられる。
「はぁ……、あれから1日たった、っていうのに。まだ説明が足りないのか……?」
そう、あれから、ジオの町まで戻って1日が経った。
直ぐにでも動くべきかどうか、それを検討していたのだが、諜報を第一優先として、オクの町の偵察を出したのだ。
因みに ユーリは ホッホ峽から撤退した敵側は、ジオの町で篭城をしている……と思えていたのだが、それは違った。どうやら、リーザス
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