第3章 リーザス陥落
第81話 ジオの町の再会
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りがとな、かなみ。疲れてる所に態々」
「そんな事、ありませんっ。だって、それをいうなら、ユーリさんだって。……いえ、ユーリさんが一番疲れてる筈なんですからっ。これくらいさせてください」
かなみは、トレーをヒトミに渡した後に、ぎゅっと両手を握り締めながらそう言っていた。かなみの眼には大分力が篭っている。
「そうか。……これからが、大一番、だな? 互いに英気を養っておこう」
自由都市圏内を解放し、リーザス領土が見えてきたから、と言う理由があるだろう。
かなみは、それを訊いてまた、力強く頷いた。
「はいっ」
その返事を訊いて、ユーリはいろいろと安心をした。
かなみは、見ていても 自分自身を責めていた。……自責の念がかなり見て取れていたから。何度かユーリも言っていたのだが、それでも 仕方がないだろう。それ程まで かなみは、悔いていたと言う事だから。
だけど、リーザスに近づく程 自責よりも 使命感を強く、より強く持ちだし 覆い尽くした様だった。出会いが戦争、と言うのは 正直好むものではないが、多くの友達と呼べる者達が出来た事、そして 親友であるメナドを救えた辺りから 特に変化が顕著に見られた。
「かなみおねえちゃんも、一緒に食べよー」
「あはは。うんっ」
「ほらっ おにいちゃんもっ!」
「ああ。判った判った」
ヒトミに手を引かれ かなみは 椅子に腰を掛ける。ヒトミも同じで ユーリを笑顔で呼ぶと 一緒に朝食を取るのだった。
笑顔の朝食も済ませて、ユーリは席を外した。と、言ってもお手洗いだ。
そのタイミングを見計らったかの様に かなみは ヒトミの方へと視線を向けた。
唇を小さく、そして素早く動かしているのが判る。どうやら、小声でヒトミに何かを訊いてる様だ。ヒトミは それを訊いて にこっと笑った。最初から判ってた、と言わんばかりだ。
「あははっ、おねえちゃんってば……」
「あ、あぅ……」
ニコニコと笑うヒトミを見て 思わず項垂れてしまうかなみ。
「んーとね。おにいちゃんにいろいろと訊いたけど……、志津香おねえちゃんと進展あったとか、そんな感じはしなかったかなぁ……」
「そ、そーなのっ?」
「うんっ」
勿論、かなみが訊いたのは、志津香の事、である。
リーザス解放軍が、ジオからオク、リーザス領土への情報戦に臨んでいる傍ら、現在乙女達は ユーリと志津香に関する情報合戦の真っ只中なのである。
ユーリ、志津香問わずに、トマトは ド・ストレートに訊いたり、ランやメナド、優希は 頬を紅潮させつつも、聞き耳をたてる。上級者のミリは そのやり取りを酒瓶を片手に楽しみ、その隣でミルが格好エロい姉を見て 誤った教育を受けている。真知子は リー
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