第3章 リーザス陥落
第81話 ジオの町の再会
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領土のオクの町にまで、撤退をしたとの事だ。
オクの町へと撤退した、と言う事実は ジオの町の市長 パパデマス の説明ではっきりとした。
自由都市一、豊かと評判高いジオ。
それを支える敏腕政治家、と言えばそうだが、その肝に関しては決して好むべくものではない事は 一見してよく判った。
――……眼を見れば、人間性が大体判る。
それが遺憾無く発揮。
それとなく 探ると どうやら 徹底したジオ第一主義、故に それ以外の事は全く拘らない。卑屈なまでの謙り歓待対処、そして鞍替えを全く厭わないコウモリ外交にある。その政治対応の良し悪しはともかく、これによりリーザス戦役においてジオが全く戦禍を被ることが無かった。
ジオの町に住む住人達を結果として守り抜いたのだから、その辺に関しては 言うべきではないだろう。だが、『己の身が潤えば良い』、とまでぼやいていた事も判明している事もあった。……更に、かなみにも調べてもらった結果。
「……ありすを道具の様に扱っていたのだけは、素直に頂けんがな。ま、それも今日までだと思うが」
「んー? どうしたの?? おにいちゃん」
「いいや、何でもないよ。……ただ、大分目聡くなったな、と思ってな」
「あ、あはははっ。だって、おにいちゃんだもんっ 優しいから、だもんっ」
ふにゃりと笑みを見せるヒトミ。ユーリも軽く笑った。どうやら、ヒトミもだいたい察した様だ。
因みに、パパデマスに関して行った事はというと。
アイドルのありすの事実関係をうちのガキ大将にそれとなく密告した。
彼女は、アイドルである為に、ランス自身も勿論知っているらしく、と言うよりポスターを持ってる、と言っていた為、それなりのファンだった様だ。更に ありす本人から既に慰安を受けているらしく……、兎も角、ランスは怒り狂って 大股で 市長の下へと向かっていったのだった。
ここから先は、どうなるのかは――火を見るよりも明らかだろう。
あの手の人間は 力あるものに決して逆らう事はしないだろうから。
そんな時だ。
「ユーリさーん、ヒトミちゃーん」
宿の扉にノックと共に声が聞こえてきた。
「あ、かなみおねえちゃん。はぁーい!」
ヒトミが元気よく返事をしながら、飛び起きると扉を開けた。
そこには、声の主であるかなみがいて、両手に持ったトレーの上には料理、飲み物が置かれていた。
「お腹がすいたかな? って思って」
「わぁ、ありがとうっ おねえちゃんっ」
「うん。ヒトミちゃんには、私も沢山お世話になってるからね? これくらいさせてよ」
ニコニコと、ヒトミの笑顔につられて、かなみも笑顔になる。
「あ
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