『後悔/幸福』
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家に着いて、布団の準備をしてから少しまた飲んだ。
『零那、ビール飲むか?父さんも飲んで良いか?一緒に』
『飲むぅっ♪遠慮なんかせんといてぇや。体も大事にしつつ飲んだら良いよ♪絶対遠慮せんといてっ!』
『わかった。
...チョット飲みながら話そうか』
『...?
...うん...』
なんやろ。
やけに重みを感じる。
『平尾の家出てからの人生は不幸やったか?手紙、何回も死にかけたって書いてたやろ。気になっててな...それと、零那が謝る事は何ひとつ無いのに謝らして悪かった』
『零那があの時もっと賢かったら、落ち着いて考えれてたら、絶対父さん処に残ってた。あの時、追いかけて来る父さんをズット待ってた。母さんとなんか一緒に行きたく無かった!!
御飯も風呂も何もしてくれん。遊んでくれん...構ってもくれんからズット母さんの背中ばっか見てた。
酒ばっかで、ごっつ好かんかった。零那達の御飯は何も無い、何もしてくれんくせに、母さんはズット酒飲んでツマミ食べてた。
父さんが怒る理由、子供ながらにチャント解ってたよ。父さんは悪ぅ無い!!母さんが悪いん解ってた。
母さんを可哀想って思った事やか無い。父さんに殴られてても母さんが悪いんやんって思ってた。母さんの事は好かん』
『そっか...チャント解っててくれたんか。充分賢い♪零那は母さんと違って賢いっ♪』
『母さんが育児も家事も最低限はチャントしてたら、父さんも毎日帰って来てくれてたやろ?』
『せやな。其れが当然やからな』
『うん。父さんにまたこうして逢う事が出来て、ホンマにホンマに、ごっつい幸せやで...生きてて良かった。生きててくれて良かった...』
『...せやな。でも父さん何ひとつ零那にしてやったこと無いで。正直、罪悪感ごっついわ。借金まで背負わして...』
『借金返済は、零那が父さんの為にしたいだけ。今迄ズット独りでツラかったやろ?淋しいやん、独りって...
ヤクザの世界は零那に解り得ん事が沢山ある。それでもヤクザ好きやし。父さん代わり的な存在で組長とかおった♪父さんを探してって頼んだりもした。
てか、父さんは何もしてない事ないよ。家に誰も居らんくなった時、父さんラスク買ってくれた。雨の日、手ぇ繋いで歌いながら一緒に歩いてくれた。
入学式の日に制服着せてくれた。家出した時、公園から家の前迄手ぇ繋いで送ってくれた。
それに、孔雀園のソテツの木の幹に、相合い傘で名前彫ってくれた。
ズットズット、一生忘れる事は無い。父さんと再会できてからも1日1日思い出が増えてる。
罪悪感やか要らん。
父さんは、零那を毎日、凄く凄く幸せにしてくれてるよ♪♪♪』
『父さんも、零那との思い出は忘れたこと無い。其れが
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