第53話 オリジナルゼロ
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完成しているから」
「か、完成してる!?そ、それはいつから!?」
「え?そんなのゼロ君とルインちゃんがオメガと第一ラウンドを始めた時からだけど?」
サラリと言う女神にエックスは唖然となりかける。
「な、何でもっと早く言ってくれなかったんですか!?そんな大事なことを!?」
「お馬鹿、ピンチになってからルインちゃん達を助けに行った方がヒーローっぽいし、ドラマチックじゃん。ピンチのヒロインをヒーローが助ける、これヒーロー物の定番でしょ?」
切迫した状況なのに、いっそ呆れるほどマイペースだ。
頭に血が上ってもよさそうな発言なのに、ああもあっさり言われると怒る気も失せる。
何故、並行世界のゼロや人間時代のルインが彼女を女神だと信じなかったのか…その理由が今、分かった気がした。
「た、大変だ…早く行かないと!!」
焦って自身の新たなボディに駆け寄るエックス。
「ちょっとストップ」
「え?」
「強化アーマーのことで色々考えたけどこのボディには強化アーマーはないの。今まで君が使用してきた強化アーマーも、アルティメットアーマーさえもエックス君がエックス君でいる範囲での強化ってわけだから。ある意味拘束具みたいなもん。私はエックス君が自由自在に潜在能力を引き出せるようにしたんだ。レイジングエクスチャージの強化上限が上がっているはずだよ。基本性能は普段と同じのはず」
「は、はい!女神様、どうもありがとうございました!!」
今までボディの完成を黙っていたことに思うところはあるものの、エックスは人型から球体の状態になるのと同時に女神製のボディに入り込む。
体に感じる重力と、体の隅々までエネルギーが染み渡る感覚が今の自身の状態のデータが津波のように電子頭脳に押し寄せて来る。
自分は再びボディを持って戻ってきた……。
かつてオリジナルボディで行動していた時は何事もなく見逃していたそれらも、今の自分には処理しきれないほどの量に感じられる。
視覚
聴覚
触覚
味覚
痛覚
全てがはっきりとし始める。
「…………」
「どう?」
「問題ありません。全システム…オールグリーン」
まるでオリジナルボディ…いや、それ以上に魂と呼べるサイバーエルフがしっくりくる。
全身に内から漲ってくる力、アルティメットアーマーさえも凌駕する力にエックスは表情を引き締めた。
心を強く持つ、それが力に飲まれることなく自身でいられるようになる。
「行きます…」
「行ってらっしゃい、必ずルインちゃんを助けるんだよ。君はルインちゃんのヒーローなんだから」
「はい、ファントム。サイバー空間のサイバーエルフ達を…守ってあげてくれ」
「
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