マブラヴ
1245話
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場合は当たっているような、外れているような……微妙なところですが」
「微妙、ね。良い話か? 悪い話か?」
「そう、ですね。アクセルさんにとっては、良い話かもしれませんね。……ねぇ、アクセルさん。私が洗脳されている時にアクセルさんに助けられてから、随分と経ちましたね」
急に何の話を? と思ったが、確かにあの時から随分と経つのは事実だ。特に俺の場合は異世界に行ってる間の時差で、より長い時間を過ごしている。
「そうだな」
「私、アクセルさんに助けられてから、ずっとアクセルさんの事が好きでした」
「……ああ、知ってる」
告白されたが、それを断ったのも俺だ。当然それを忘れる筈がない。
俺にとってオウカというのは庇護すべき対象ではあるが、傍から見れば掛け値なしの美人なのだから。
そんな相手の告白を忘れるのかと言われれば、否と言えるだろう。
「アクセルさんに告白して、それを断られて……でも忘れられなくて。そのままずっとここまで来てしまいました。けど……その……」
言いにくそうにしているオウカの様子を見て、何故か俺はすんなりと何を言いたいのかを理解出来た。
恋愛関係には決して強いと言えない俺だったが、それでも理解出来た。
「そう、か。……相手は誰だ?」
そう尋ねるも、オウカの言葉は半ば予想出来る。
何故なら、ここ暫くの間オウカと共に行動していた男はたった1人しかいなかったからだ。
「……イザーク、です。今日、ホワイトスターに戻って来た時に告白されました。私は……それを受け入れようと思います。ここ暫くイザークと一緒に過ごしていて、いつの間にか私の中にはイザークが住み着いてしまったらしくて」
やっぱりな。
「そうか。こう言っては何だが……おめでとう」
俺の口から出た言葉が意外だったのか、オウカはその美貌に少しだけ驚きの表情を浮かべる。
「ふふっ、ありがとうございます。……アクセルさん、私はこれからアクセルさんではなく、イザークと共に生きていこうと思います。その結果が結婚になるのか、それとも恋人として終わるのか。それがどうなるのかは分かりませんが」
「ああ。俺がこう言うのもなんだが、幸せになってくれ」
「はい」
どこか切なさそうな、それでいながら嬉しそうな複雑な表情を浮かべたまま、オウカは俺の方へと近づいてくる。
「アクセルさん。貴方は私にとって……初恋でした」
そっと俺の頬に唇を触れさせると、すぐに顔を赤くして後ろへと下がる。
「アクセルさんに恋をした日々、辛い事も色々とありましたが、間違いなく私にとっては幸せな日々でした。素敵な初恋、ありがとうございます」
眦に薄らと涙を滲ませ、それでも笑みを浮かべるとそのまま一礼して走り去ってい
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