第7話 嘘
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とえ力を持っていなくとも、情報を操ってしまえば相手が持っている強大な力で自滅に追い込むこともできる。。
逆もしかり、こちらを混乱に落とすような情報操作を行えば簡単に組織は壊滅するだろう。
「もしもだが、お前がレベルアッパーで能力を手に入れたらどうする?」
サソリは木山に聞いてみた。
「それは使えば能力が付与、向上すると仮定しての話かな?」
「そうだ」
「んーそうだな……自分の能力の限界を測ってみるかな」
アイスコーヒーの氷をカチャカチャとかき混ぜる。
サソリは座り直して、目の前にいる木山という女を見据えた。
「ほう、能力を使ってみると」
「ああ、臆するよりも使ってみないことにはね」
サソリと木山は互いに視線を絡ませた。サソリは視線を外し、「そうか」とだけ呟いた。
木山は科学者として多くの人物と謁見してきた経験があり、相手の挙動や言葉使いで割と相手の心理は読める方だが、サソリの反応を踏まえてここまで何を考えているのかわからない相手は久しぶりという感覚を持った。
何か策略を練っているのではなく、子供のような突飛な質問に懐かしい気持ちになる。
しばしの無言。
そのあとに、木山は
「そうだな。危険の可能性があるなら規制した方がいいかもしれない」
と付け加える。
「…………」
サソリは黙ったまま、少し考えていた。
こいつから分かるのはここまでか。
確かにこの女は「嘘」をついていた。
しかし、だからといってそれが相手の弱みになるということではない。
知っていたが、信用していなかった。
そう言ってしまえば片が付く。
大方サソリの予想通りの話の展開になっていたが、一つだけある確信を得た。
この女レベルアッパーについて何かを隠している!
それは使用者としてか、犯人としてか。
そこを攻めるべき、やめるべきか……
「ところで、この者たちは知りあいかね?」
木山の言葉に連なって窓を見ると、佐天がべったりとくっついてにっこり笑っていた。
「へえ、脳の学者さんですか」
初春が感心したように言った。
「サソリは退院したの?あたしプリンパフェで」
「まだだ、外出が許可されたくらいだ」
佐天と初春は木山の隣へと座り、サソリたちとは向かい合うようになっている。
佐天は呼んだ店員にデザートを注文した。
「いやー、いい事って続くもんだねえ。サソリは外出できるまでになって、あたし欲しいものが手に入ったし」
佐天はニコニコとメニューを眺めた。
普段は何とも思わないステーキの断面図でさえ自分を祝っているような気分の良さだ。
「佐天さんはいつも元気よねえ」
御坂がドリンクバーから持ってきたジュースをストローで吸う。
「はい、元気が一番です」
と敬礼をしている。
「さてと、あなたは良いんですの?」
白井がサソリの方
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