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まずいジュース
3部分:第三章

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第三章

「この味って」
「ここまでまずいなんて」
「もう予想外」
「そうよね」
 こう話してだった。それでだ。二人は何とかその最悪のジュースを飲んでからだ。
 凛はとりあえず携帯を出した。そしてだった。
 まずそのジュースの画像を取りそこから必死に入力していく。皆美は彼女のその動きを見てすぐに尋ねた。
「ブログに書いてるのね」
「少なくともネタにはなったわ」
 それはだというのだ。
「予想以上だったけれどね」
「そうね。この味はね」
 予想以上ということには皆美もその通りだと頷く。
「まさにね」
「だから書くわよ。この味は絶対に忘れられないわ」
「いい意味で?悪い意味で」
「両方ね」 
 凛は皆美の今の問いにこう答えた。
「いい意味ではブログに書けたわ」
「ネタになったってことね」
「そして悪い意味では」
 携帯で文字を入力しながらこのことも話す。
「まずかったわ。凄くね」
「そっちの意味なのね」
「どっちの意味でも合格よ」
 こう答えるのだった。
「本当にね」
「そうね。いや、けれどもう」
 皆美はここではうんざりとした顔になりだ。こう述べた。
「こんなまずいジュースは二度とね」
「飲みたくないわね」
「一度で充分」
 こう凛にも言う。
「あんたもそうでしょ」
「ええ、そうよ」
 凛もはっきりと答えてみせた。
「こんなジュース。もう何があってもね」
「二度と飲まないわね」
「誰がこんなジュース考えたのよ」
 この言葉を今実際に自分のブログに書いたのだった。
「それで売ってるのよ」
「まあ世の中実際に色々なものがあるから」
「こんな訳のわからないジュースもあるのね」
「そういうものね」
 皆美はまた凛に話した。
「結局のところは」
「まあこれでね」
「書いたのね、ブログ」
「今送信したわ」
 ボタンを押した。そのうえでの言葉だった。
「これでよしよ」
「そうね。それじゃあ今から」
「また歩いてそれでね」
「旅行続けましょう」
「今日の晩御飯は口直しにいいもの食べたいわね」
 凛は首を捻りながら言った。顔は顰めさせたままだ。
「何かね」
「そうね。それは私も」
「いつものコンビニで買うのじゃなくてお店で食べましょう」
「ええ、そうしましょう」
 こんな話をしてだ。二人は空き缶はゴミ箱に入れてそれからまた旅を再開した。その旅を終えて二人は彼女達が本来住んでいる場所に戻ってそれで職場でその旅のことを思い出して話に興じていた。その時にだ。

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