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ガンダムビルドファイターズトライ 〜高みを目指す流星群〜
05 「ヨーロッパからの転校生」
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によっては教師が介入しない方が良い時もあるだろうが、今回はそのケースではないだろう。

「それにお客さんを連れてきてるんです。ふたりが落ち着いてくれないと中に入れれません!」

 俺としては先生にも落ち着いてもらいたいんですが。ふたりと同じくらい大きな声を出してますし。
 と思いながらもコウガミ達が静かになれば山田先生も大人しくなるだろうと、俺はコウガミとヒョウドウの間に入ることにした。どちらかの味方をするつもりか、私達の邪魔つもりかといった鋭い視線をダブルで送られる。どっちが怖いだの言い争っているわけだが、客観的に言えばどちらも怖い。
 しかし、口論に割って入った経験は過去にもある。またコウガミ達は完全に頭に血が昇っているわけではない。口論をするようになったのはある意味壁がなくなったとも言えることだ。
 そう自分に言い聞かせながら部室の前に客人が居ることを説明すると、彼女達は少し膨れっ面のままではあるが口を閉じた。すると山田先生は笑顔になり、一度部室から出ると客人を連れて戻ってくる。服装はここの制服なので流星学園の生徒のようだ。

「……え」

 山田先生と一緒に入って来た女生徒を視界に納めた時、俺は自然と声を漏らしていた。
 端正な顔立ちだけでなく桃色の髪と青色の瞳が目を惹く。体つきも女性らしく醸し出している雰囲気も実に落ち着いたものだ。おそらくこの学校に居る大半の男子は彼女を見た瞬間に何かしら反応をするだろう。
 だが俺が声を漏らしたのは入って来た女生徒が人の目を惹く外見をしているからではない。いやこれも理由にはなるだろうが、それ以上にヨーロッパで生活していたときに交流があった人物だということが大きい。

「フェルト……なのか?」

 俺の声に女生徒は反応し、視線をこちらに向けた。直後、彼女の目は大きく開かれ俺と同じようにポツリと言葉を紡ぐ。

「……キョウスケ」

 どうやら目の前に居る人物は、俺のよく知る人物で間違いないようだ。
 フェルテシア・クライヴ。俺がヨーロッパに渡った間もない頃に出会ったガンプラビルダーであり、俺にガンプラ製作の技術を教えてくれた人物でもある。云わば彼女が居たからこそ今の俺が居ると言っても過言ではない。
 ちなみに俺がフェルトと呼んでいる理由は、彼女の名前にフェルという言葉があるのに加え、容姿がガンダムOOに出てくるフェルト・グレイスというキャラに似ているからだ。
 誤解がないように言っておくが、最初にフェルトと呼び始めたのは俺ではなく彼女の友人だ。その流れで俺も言うようになっただけであり、他意は存在していない。

「ナグモくん、クライヴさんとお知り合いなんですか?」
「え、えぇ……俺は少し前までヨーロッパの方に住んでましたから。その
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