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ハイスクールD×D 黒龍伝説 12
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のに!!私が力不足のせいで!!何が足りないって言うの!!」

喚き散らすソーナちゃんを抱きしめることしかできない私に、思わぬところから救いの手が差し出される。

「これ、元士郎に」

いつの間にかやってきたオーフィスがボロボロのコート差し出す。

「元士郎、奪って自分のものにする。これ、元士郎の血。レオと留流子が」

ボロボロのコートは京都の時に負傷した際の物で、今は乾いてしまっているけど、確かに元ちゃんの肉体情報が詰まっている。元の姿に戻れないのも、肉体を失ってしまったから。その肉体の情報がこれに詰まっている。

「ソーナちゃん、貴方が与えてあげて」

固まっている血を削ってソーナちゃんに持たせる。ソーナちゃんがそれを足場であるラインに吸収せせる。だけど、何も変化はない。これで打つ手無しかと思ったのだが、ラインが二本伸び、私とソーナちゃんの手の甲に紋章が刻まれ、パスが繋がる。同時にこれの知識も流れ込んでくる。

令呪、聖杯の莫大な魔力を持ってパス対象に強引な奇跡を実現させる使い捨ての物。私にもソーナちゃんにも3画ずつ宿っている。ソーナちゃんは迷わずに叫ぶ。

「令呪を持って命ずる!!本来の姿を取り戻しなさい!!本来の姿を取り戻しなさい!!本来の姿を取り戻しなさい!!」

同時に手の甲の令呪が光を失い、莫大な魔力と共に元ちゃんの体に変化が始まる。だが、それでも足りないのか変化の量が減ってくる。ソーナちゃんが血走った目でこちらの見てくるので選択肢がないみたい。できれば政治的な関係上1画は残しておいた方が良いんだけど、嫌われちゃうかもしれないから全部使うことにする。命令も同じ方が良いよね、変に干渉しても困るから。

「令呪を持って命ずる!!本来の姿を取り戻しなさい!!本来の姿を取り戻しなさい!!本来の姿を取り戻しなさい!!」

さらに莫大な魔力でほぼ変わらない姿を取り戻し、元ちゃんが倒れこむ。同時に足場のラインも解けてしまったので翼を出してゆっくり降りる。ソーナちゃんとオーフィスは飛び出していっちゃったけど、大丈夫だよね。全身に変な入れ墨が入ってるけど、あれぐらいなら簡単に隠せるしね。

えっ、なんで全身にあるって分かるのかって?乙女の口からは言えないの。








沈んでいた意識が浮かび上がるのを感じ、目を開くと知らない天井が目に入る。

「匙、目が覚めたのですね」

声が聞こえた方に目だけを向ける。そこにいたのは、あの世界で求め続けた二人のうちの片割れ。同時に全ての思い出し、涙が溢れる。

「か、会長、オレ、生きて戻ってこれた?」

「ええ、ちゃんと、貴方は生きています。ちゃんと帰ってきてくれましたよ」

「体に力が入らないんです。手を、握ってくれませんか?」

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