出会った悪童達2(義之)
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「すまないな、いきなり相席をお願いしてしまって」
「ああ、いや。別にいいよ。さっきまで一緒にいた人が居たけど用事があるって言ってもう行っちゃったし。」
俺が相席をお願いした男子生徒は声をかけた時はぼっとしていたが、少しの間の後許可が出た。現在俺は渉が来るのを待ちつつ男子生徒、いや。
高坂先輩が言っていた噂の弟君こと桜内 義之と当たり障りの無い会話をしていた。
第一印象では中々の好青年だ、相席をお願いしても嫌な顔一つせずに了承した。
だが、中々に興味深い人物だ。一見平凡そうに見えるがどこかカリスマ性と言うのかどこか惹きつけられる魅力を感じる。
(この手の人間は自然と人の輪の中心になっている人間だろう、本人には自覚は無さそうだが。)
高坂先輩が危惧する理由がわかる気がする、彼が俺のような問題児と何かしらのことを起こすとなると周りに与える影響は計り知れないものとなるだろう。
それと何故だろうか彼とは妙なシンパシーを感じる。
俺がそんなことを考えていると。
「オイーッス、持ってきたぜルルーシュ。」
渉がトレイを二つ持って歩いて来た、一つを俺の前に置くと俺の隣に座った。
「何処にいんのかわかんなくってちょっと探しだぜ」
「ああ、すまなかったな。」
軽く会話を交わしたところで渉は俺の隣に座る、そこで初めて渉は向かいの席に座る桜内に気がつく。
「んっ、そいつ誰だ?」
「彼が相席を了承してくれた生徒だ」
「ふーん、てか。一人飯かよ寂しい奴だなぁ」
物凄い酷い一言を本人の前で言う渉、案の定桜内の表情が若干険しくなっていた。やれやれ。
「渉、失礼だぞ。それにどうやら彼は先程まで誰かと食事していたようだしな。」
「およ、そうなのか。いゃ〜悪かったな。なんか好き勝手言っちまってよ」
「まぁ、気にしてないよ。」
渉の謝罪に少しは怒りを収めたようだ。
「じゃーさ、お前。誰と一緒に飯食ってたんだ?」
「あー、高松先生だよ。学校の案内とか頼まれたんだよ。」
高松?ああ、高松久美子『たかまつくみこ』教育実習生か。今朝渉がなんやかんや言っていた人か。
しかし、驚いたなまさかこの短時間の間にもう交流を持つ仲になっていたとは。
俺が内心少し驚いていると、隣の馬鹿は先程の言葉に敏感に反応する。
「なにぃ!?あの久美子先生ともう一緒に食事する仲にまではってんしてんのか?!」
「いや、ただ案内をお願いされただけでそこまで仲良くはなってないぞ」
「くっそぉー、案内にかこつけて仲良くなる。その手があったか。」
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