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まずいジュース
1部分:第一章
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「それでその猪が私達に向かって突撃してくるとか」
「そうなったら私達死ぬじゃない」
「そこから必死で逃げて助かったとか」
「逃げられなかったら?」
「上手くいって入院ってことで」
「全然駄目じゃない」
 凛は憮然とした顔になってそれは駄目とした。
「死んだらブログ書けないじゃない」
「それもそうね」
「そうよ。だからもっと普通の話でね」
「それだと面白くないじゃない。普通だと」
「だから。普通の面白さよ」
 凛が言うのはそのことだった。
「旅にある。そういうものよ」
「じゃあ鬼が出て来たとか山姥とか」
「ゲゲゲの鬼太郎でしょ、それは」
「やっぱり普通じゃないのね」
「妖怪の何処が普通なのよ」
 少しむっとした顔になって突っ込みを入れる凛だった。二人は話をしながら歩き続けている。二車線の道は相変わらず二人だけしかいない。左右には田畑が広がり続けている。その二人を日差しが照らしている。車も来ない。

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