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本気で挑むダンジョン攻略記
Chapter T:to the beginning
第03話:ネメアの獅子
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る獅子のポテンシャルは確実に89層までのモンスターの中で頂点に立てるだろう。

「良いぞ。素晴らしいポテンシャルだ。」

 基本的に破壊を是とする戦闘狂の資質を持つラインハルトも、想定以上の強敵の存在に戦意が昂っていく。受け止めていた獅子を両腕で投げ飛ばしたラインハルトは迎撃の姿勢を止め、攻勢に出る。受け身をとった獅子を殴り飛ばし、体勢を立て直す暇も与えずに腹に有効打を叩き込む。
 だが、獅子もこの程度で終わらない。鞭のように尾をしならせラインハルトを弾き飛ばす。ラインハルトも敢えて飛ばされる事でダメージを軽減することでノーダメージだが、ラインハルトが離れた隙に獅子が起き上がり、今度はラインハルトが着地するところを狙って飛び掛かる。そしてラインハルトを喰い千切らんとその牙で噛みつこうとするも、ラインハルトが上顎と下顎を掴んだ事で失敗に終わり、顎を裂かれる前にラインハルトを首を振って地面に叩きつける。だが、あろうことかラインハルトは地面に両足をつき、逆に獅子を投げ飛ばす。

「むっ」

 そして、追撃に移ろうとしたラインハルトは違和感に気づき首筋に手を当てた。そしてラインハルトが見た掌に付着した『赤』。

「は、ハハハ、ハハハハハハハッッ!!!!」

 おそらく先程の攻防で掠ったのだろう。かすり傷程度とは言えラインハルトに傷を与えたのだ。もしかしたら直撃していればラインハルトが重傷を負っていた可能性もゼロでは無い。

「実に良い。これぞ闘争。これぞ決闘。では、此方もこの素晴らしき闘争に対し、敬意を払うとしよう。」

『黄金の獣』に傷をつけれる相手などそうそういない。故に、実力者には相応の礼儀を。ラインハルトは遂に、その魂の象徴たる神槍を顕現させた。


Yetzirah(形成)――』 

聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・テスタメント)


 その圧倒的な神意に当てられ、『黄金の獅子』も雄叫びを上げ、ラインハルトへと勇敢に向かって来る。そして、ラインハルトはその刃先に手を添え――
 ――両者が交差した時には、獅子の前足の片方が飛んでいた。
 そして、振り向きざまにラインハルトが目視不可の神速の突きを放ち、もう一本の前足が飛ぶ。

 槍という武器は刺突武器だ。無論、振り回して打撃武器として扱う事も出来るが、基本的に槍の真骨頂は近接武器でも最長の間合いから放つ最速の突きである。そして、ラインハルトがそれをやった場合、最早目視不可の必殺の一撃となる。現に、ラインハルトの攻撃を目視出来たのは遠くから見ていたスピード特化のシュライバーと、かろうじて初動が見えたエレオノーレくらいである。
 両前足を欠損し、無様に倒れ込む獅子だが、倒れ込んだそばから足の付け根が蠢き再生を始めていた。そして、それをライン
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