Chapter T:to the beginning
第03話:ネメアの獅子
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カイト》を手に入れる前から魔女だった貴女が言う?」
「その私からしても凄いって事よ」
「流石年の功」
「何ですって!?」
女性陣でも仲間内での喧嘩が始まった。ただ、リザが言う通りルサルカは皆より1世紀以上も年上である。見た目はロリだが、ババアなのである。そう、大切な事なのでもう一度言うが、ロリババアなのである。リザは事実を言った。それにロリババアがキレた。それだけなのである。
ともあれ、89層まで3時間足らずで進んできて尚、仲間内で戯れる程度に余裕を保っている彼らはやはりチート集団であった。
「卿ら、そこまでにせよ」
そして、ラインハルトの一声で全員が意識を切り替えた。
今まで彼らが踏破してきたダンジョンの様子からして、縦穴で階層主はショートカット出来ない事は分かっている。そして、階層主がいた階層は全て、迷宮では無く広い戦場であり雑魚モンスターは湧かない場所だったのだ。つまり、先程から仲間内で和気藹々としていた彼らがモンスターに遭遇しておらず、そして目の前に広がっている幅広い渓谷はこの階層に階層主がいる事を表していた。
だが、今までと少し違って誰かが入りこめば直ぐに壁や地面、天井からポップしていた階層主が未だに出現していないという状況が彼らを戸惑わせていた。
「シュライバー。階層主を探せ。何なら見つけ次第倒してしまっても構わんぞ?」
「Jawohl!」
偵察ついでに倒せるなら倒して来い。その指示を受けたシュライバーは狂喜に満ちた笑みを浮かべて渓谷の遥か先へと走り去って行った。
「残った者は私に着いて来い」
そして、シュライバー以外の皆は周りの警戒をしつつラインハルトを筆頭に渓谷の狭間を歩いて行く。シュライバーが階層主を見落としたという万が一の可能性を鑑みての事だったのだがそれも杞憂に終わったようで、ほどなくして渓谷の奥の方で戦闘音が聞こえ始めた。
「ほう、シュライバーが接敵したか。」
「それじゃあ私達の出番は無さそうねぇ。」
「…ブレンナー、貴様は先程から何もしてないだろうが」
「あら、ちゃんとカインを動かしてたじゃない」
「はぁ...まあ良い。だが、確かにシュライバーが相手ならば我々の出番は無いだろうな」
「はいはーい!それじゃあここはお喋りしながらゆっくり行っても良いと――」
「貴様は気を抜きすぎだッ!」
「あいたたたたた!潰れる!私の頭が潰れちゃう!!」
余りにも気の抜けた発言にエレオノーレがルサルカをアイアンクロ―で締めるが、ルサルカの言う通り大隊長のシュライバーが接敵したのだ。勝利は確定しているようなものでルサルカの言っている事にも共感が持てない訳でも無い。それ故に、ラインハルトはエレオノーレを窘めルサルカを開放させ、
「マレウスの言う通り、別段
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