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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第9章 その後 
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も感傷に浸っているわけにはいかなかったので指揮幕僚課程に向けて勉強することにした
というよりも、負傷のために軍務復帰と自由に外出が規制されていたために(移動もすべてなぜか公用車がついた)やることがなかったこと、今回の作戦のやるせなさを勉強にぶつけるしかなかった。
私の家庭教師にはなんと士官学校准教授になっていたケン・モトハシ中佐がついてくれた
中佐は私がヘンシェルにいた時の中隊長で戦技・作戦立案能力・リーダーシップともに抜群の士官だった。
まあもっとも彼自身3か月後には大佐に昇進して第1艦隊の第100宙陸両用隊の指揮官になることが内定していたので、実際准教授の仕事はほとんどなく昇進前の暇つぶしとして毎日4時間授業があった。
中佐には才能があるらしく何時間授業をやっても学生を飽きさせないのだ。
私が士官学校生のとき彼は情報戦の教官をやっていた
情報戦というと一般人からすれば「未知の世界に満ち溢れた世界」とか「スパイ映画のようなスマートさ」を思い浮かべるだろうが、実際は違う。
確かに、スパイ映画のような盗聴器を仕掛けるとか電波を受信して暗号解読を乱数表を用いて行うとかはするが、情報戦士官たちがするのはそんなアマちゃんなことではない
彼らがするのは自分の出自をすべて偽り、今までの自分ではない自分になりきり、生身の人間から情報を非常に気の遠くなるような緻密さで聞き取り、それを本国にもたらすのが任務だ。
彼らは一種の超人だ。
であるがゆえにそれを授業という形式に落とし込むと強烈に意味不明かつ、面白みに欠けるものになる。
中佐は少尉から中尉時代を中央情報局およびフェザーン駐在武官として任務についていて、少尉のときには当時のバクダッシュ主任情報分析官のもとで要人暗殺やヒューミント(対人スパイ活動)を行っていた。これがわかったのも宇宙歴801年以降の情報開示でのことでまったくの機密事項であった。
だから、学生当時は何でこんなバリバリの陸戦士官が情報戦なんて教えてるのかがさっぱり理解できなかった。
また、そういう風に外見・雰囲気をも作り出すのも彼らの任務の一環であった。
しかし、中佐の教える才能は中佐の人当たりの良さから来てるのは間違いなかった。
とにかく、よき教師からみっちりと教えてもらえたことは私にとって幸運であった
指揮幕僚課程の試験は学術面ではなくどちらかというと頭の回、機転の良さが問われる試験であった。
ただ、実戦部隊に慣れすぎていると交戦既定などの条項を忘れたり敵と交戦になりそうになった場合戦時協定や同盟軍・帝国軍統一交戦規定などの法令を知っておけばこれを回避することもできるらしい(いわゆる、法の抜け穴のようなものだ)
そういったことも試験内容に含まれるため試験はペーパー試験ではなくシュミレーション試験である。
この課程では
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