第9章 その後
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は確かに誇らしいが、死んでいった戦友たちは同盟市民の記憶の彼方へ行ってしまいまたこの悲劇が繰り返されるのではないだろうか?
そういった感情の板挟みにあい苦悩する将兵たちがいた
私の士官学校同期生たちもかなりの人数で戦死又は行方不明になっていた。
その中でも私が一番ショックだったのがナセル・ガルシア中尉の戦死であった。
彼も私たちと同様にイゼルローン要塞への揚陸部隊の一員として強襲揚陸艦「ケベック3号」の航宙長を務めていたがトールハンマーの一撃をくらって戦死した。
当然だが、艦長のナターシャ・リン少佐も戦死した。
また、ケベック3号を指揮艦としていたバークレー中佐も同じ運命をたどった。
私たちにとって前哨戦となった作戦でお世話になった少佐以下乗組員たちの顔や中佐との思いでが思い浮かんできて、ナセル中尉のいつもののんきなジョークが走馬灯のように駆け巡って涙をぬぐってもぬぐってもあふれてきた。(ナセルは少佐に、ナターシャ少佐は大佐に、バークレー中佐は准将に戦闘終結後昇進)
ステファン大尉は我々の護衛のために空戦隊1個中隊を率いてたがトールハンマーの射程直径ぎりぎり外側に敵の駆逐艦が集中していたために運よく直撃は免れたが第2射目で彼の率いていた部隊の9割が壊滅した。
彼自身は駆逐艦7隻を撃沈し、ワルキューレ8機を撃墜したため勲章をもらっていた。
しかし、勲章授与式ののちに私の病室に来て話したことはあまりにも彼にとっては辛辣だったに違いなかった。
「俺の空戦飛行中隊は選りすぐりのエースパイロットとかなりの若手下士官パイロットで編成されてたんだ。エースパイロットたちの中には第88独立空戦隊にだって負けないくらいのやつらだったし、若手パイロットたちだってあと5年は戦っていれば撃墜数だって3ケタに乗るくらいのセンスのいいやうらがそろってた。
みんな過酷な空戦訓練を一緒に潜り抜けてきた本当に血のつながった家族みたいなやつらだったのに俺だけが生き残って彼らは死んじまった。
それなのに俺は勲章をもらって少佐に昇進する可能性もあるぞ、なんて言われてるんだ。
本当になんなんだよ。」
といつもの豪快なステファンの面影はなかった。
部下を失い、戦友を失うことは自分の体の一部を失うより辛かった。
リリー・ボールドウィン少尉もまた同じであった。
彼女はトールハンマーの直撃は免れたが私たちと同様に強襲揚陸艦に帝国軍が乗り込んできて必死の抵抗を試みたが戦死した。
詳細は生き残った部下と救援に駆け付けたレナ・アボット少佐(戦闘終結後昇進)が教えてくれた。
戦友や士官学校同期の戦死報告を聞きすぎてしまったために流れる涙も枯れてしまっていたがこの報告にはあまりにもショックであった。
少佐は
「リリーは私たちが救援に駆け付けた時は生きてたのよ。無傷で
なんだ
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