第9章 その後
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「貴官に勲章を授与できることを誇りに思うぞ
貴官の中隊は本当に不遇だった。生還した部隊の中でもトールハンマーに最も近かった。
損失数は非常に多いが、その代り貴官が生還させた隊員数、そして貴官とリューカス中尉がを倒した敵数ことは素晴らしいと思うぞ。」
ということだった。
私はもらった勲章を大佐の顔面に投げつけそうになったがリューカス中尉がめちゃくちゃ厳しい目で大佐を睨み、ハンドサインで私に
「大尉。落ち着いてください。」
と言ってきたので何とか乗り切ったが
カロリーナ大尉が整然と辞令を持ってきたこと、それを整然と命令したマークス大佐のいかれた精神に心底怒り心頭だった。
結局奴らからすれば人の数も数字
死んでいるか、生きているか、戦えるのか
その3種類のみしか考えれない。
前線で戦えばこんなことは決して思わない
カロリーナ大尉とは実は面識があった。
彼女は私が特殊作戦課出向が決まった時に私に辞令を渡したアレックス・コードウェル少将の補佐官をやっていて、向こうから話しかけてきて少しながら面識はあった。
人当たりの良いおっとりとした女性士官であったがまさかそんなことも考えずにやってくるとは思わなかった。
彼女は私の病室を出るとき今にも号泣しそうな顔で敬礼をして出て行った。
少しまずかったかと思ったが、彼女が病室から出ていくなりリューカス中尉がため息をついて
「大尉。
あれは言い過ぎです。
あなたがいつも温和で、怒らないのは知ってましたが
あれは本当に言いすぎです。
大尉のお気持ちは理解できます。けれど…」
と説教が始まった。
中尉には結構迷惑をかけている
私がいない間中隊の状況維持と再編成へ向けた事務処理が忙しいはずなのに1日に3度も中央病院に来てくれる。
ローゼンリッターの戦友や上官たちも3日に1回は来てくれる。
シェーンコップ中佐はわざわざコーヒーを入れて差し入れに来てくれるし、リンツ大尉やブルームハルト大尉もローゼンリッター連隊の近状や連隊での笑い話を差し入れに来てくれる。
同盟軍は今回の敗戦をうまい英雄話で取り繕うのに必死だった
並行追撃作戦や無人艦艇突入作戦でイゼルローン要塞に肉薄するまで行ったことでシトレ大将は元帥に昇進し、ヤン少佐は帝国軍が敵味方関係なく無差別に行ったトールハンマー攻撃ののちにすぐに救出作戦案を立案しエリー准将とともに多くの損傷艦艇・将兵を救出したことでヤン少佐は中佐に、エリー准将は少将に昇進しそれぞれ勲章をもらっていた。
確かに、あの時点で帝国軍がトールハンマーを撃つなんて誰が考えただろうか
しかし、それによる敗戦を敗戦と素直に認めればよいのにその時の与党は支持率低下を恐れてかそれを行わなかった。
そのため、今回の作戦参加将兵は複雑な感情だった。
英雄扱いされるの
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