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逆さの砂時計
Side Story
無限不調和なカンタータ 7
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居たいから、必ず貴女を説得します」
 淀み無く。揺るぎも無く。金色に透き通った眼差しが私をヒタリと見据える。
 ……これは、カールの挑戦だ。
 死んでも良いと現実逃避していた不器用な男が、多分本当に今初めて、他人に挑もうとしてる。
 面白い。
 面白いわよ、カール。
 これを乗り越えたあんたの歌は、さぞかし耳に心地好いでしょうね。
 でも!
 「望むところだわ。私も負けてやらない。あんたは死ぬまで私だけの歌い手でいれば良いのよ!」
 私が見付けた、どんな雑音も軽減させる便利な人間。
 他のどんなやつにも、少しだって譲らない!

 互いに笑顔のまま睨み合う私達は、
 『全く同じ事を言いながら何の勝負をしてるんだ、お前達……』
 呆れたアオイデーの言葉など、まるっきり一音も聴いてなかった。


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